… … …(記事全文4,894文字)公示日まで2週間を切っている。政権交代の肝となる野党統一候補の調整と、それに伴う比例名簿の作成、ここが小沢一郎の真骨頂「剛腕」の見せどころとなる。政権交代の気運は嫌が上にも盛り上っていく
◆〔特別情報1〕
自民党で長年秘書を務めてきたある人物がいうところによると、石破茂首相は、議員会館内の議員食堂の片隅では、「お一人様」で食事をしている姿をよく見かけてきたという。たいていの国会議員は、仲間の議員と食事を共にすることが多く、「お一人様」で食事をする姿を見かけることは滅多にないという。それほど国会内で石破は、なにかと敬遠されてきた存在なのだという。
その「お一人様」が組織のトップに立つと、途端に周囲の意見に押され、ことごく前言を翻し始め、遂には首相就任前に解散を宣言するという憲法違反の領域にまで踏み切ってしまった。それほどまでに拙速に解散を急ぐのは、新総理就任時の支持率アップの「ご祝儀相場」を期待するしかないほど自公政権がガタついていることは、もはや国民の目にもありありと映っている。ところが、石破新内閣の支持率は期待するほど支持率は上昇していない。共同50.7%、毎日52%、読売51%、日経51%、朝日46%と出ている。30%を切って低迷していた岸田内閣に比べれば、上昇はしているものの、総裁選のときに怖い顔で宣言していたことは何だったのかというほど期待を覆し、自民党にとって先が思いやられる出足となっている。ちなみに支持率ではないので比較にはならないが、立憲の野田新代表に対する期待は49%(毎日新聞)と出ている。
そうしたなか、ようやく野田立憲民主党の新執行部に総合選挙対策本部(本部長・野田佳彦代表)が設置され、小沢一郎衆院議員を本部長代行に充てることが発表された。
毎日新聞は2日、「立憲、衆院選の候補者数201人に 小沢氏が他党との候補者調整担当」という見出しをつけて、次のように報道した。
「立憲民主党の小川淳也幹事長は2日の記者会見で、衆院選に向けた総合選挙対策本部(本部長・野田佳彦代表)を設置し、小沢一郎衆院議員を本部長代行に充てると発表した。他党との候補者調整などに当たる。小川氏は小沢氏について『政治経験と人脈、政治感覚、類いまれな実績と資質をお持ちだ。選挙対策を総合的に進めるにあたり、さまざまな角度から指導をいただきたい』と述べた」
また朝日新聞も2日、「立憲・小沢一郎氏が選対本部長代行に 野党間の候補者調整に関与か」との見出しをつけた記事のなか、次のように報道した。
「自民党幹事長や民主党代表を務めてきた小沢氏は、全国の選挙事情や労働組合などにも通じているとされる。石破茂首相が早期解散を宣言するなか、野党間では候補者調整が急務となっており、小沢氏がこうした交渉にどのように関わっていくかが注目される。(大久保貴裕)」
9日の解散を経て公示日である15日まで残り12日、2週間を切っている。政権交代の肝となる野党統一候補の調整と、それに伴う比例名簿の作成、ここが小沢一郎の真骨頂「剛腕」の見せどころである。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)