… … …(記事全文8,841文字)「紅麹」サプリは、スタチン系薬「ロバスタチン」と同様の成分。スタチン系薬が処方されている人が服用すると過剰摂取になる。また「フェブラート系製剤」との併用は「横紋筋融解症」の発症率が高く禁忌である
◆〔特別情報1〕
筆者は自身の薬害ともいえる健康被害の経験をもとに、先週、「『紅麹』由来の『モナコリンK』は、コレステロールを下げる『スタチン系薬』の産みの親で類似物質。『スタチン系薬』副作用として稀に『横紋筋融解症』を発症する。『紅麹サプリ』死亡患者の病名を公表すべきである」と題する記事をエントリーし、メルマガでも配信した。
その後も、「紅麹サプリ」健康被害の拡大が止まらない。読売新聞は4月1日、「『紅麹』健康被害、病名は尿細管の「間質性腎炎」「壊死」など…新たな商品での被害も判明」という見出しで、健康被害が起きた患者の主な病名について、次のように報道した。
「小林製薬(大阪市)の「 紅麹 」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、日本腎臓学会は1日、健康被害が起きた全国の患者47人の状況を発表した。主な病名として尿細管間質性腎炎、尿細管 壊死 、急性尿細管障害を挙げ、死亡例は含まれていない。」
死亡例は含まれていないということは、死亡した患者の病名ではないということだろうか。いずれにせよ、コレステロール下げる「スタチン系薬」による副作用を経験した筆者からしてみると、ここに列記された病名のなかに、「横紋筋融解症」が挙げられていないことは、もしくは「事の本質」にたどりつけていないのか、不可解ないところ。
さらに、朝日新聞は3月29日、「小林製薬サプリに『プベルル酸』が含有 厚労省発表、毒性など調査」という見出しで次のように報道した。
「 小林製薬(大阪市)がつくる機能性表示食品の摂取者に健康被害が相次いでいる問題で、厚生労働省は29日、小林製薬のサプリメントに「プベルル酸」という物質が意図せずに含まれていたことを明らかにした。今後、小林製薬と厚労省はこの物質の毒性などを調べる。(中略)プベルル酸が健康被害の原因なのかはわからないため、小林製薬と国は今後、動物実験などで毒性を評価していくという。」
動物実験で調べるとして、その評価が出るまでにどれたけの時間がかかるというのか。小林製薬は自主回収に踏み切っているが、「紅麹」サプリを販売しているのは小林製薬だけではない。他にも「紅麹」サプリを販売しているメーカーはいくつかあり、いまも商品は店頭に並んでいる。医師や薬剤師、そして厚生労働省も、そもそも「スタチン系」副作用については熟知しており、「紅麹サプリ」健康被害の原因の見当はついているはずである。今後、健康被害のそもそもの原因に言及せず放置したことによる、二次被害が起きていく可能性があるのではないか。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)