━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2022年9月10日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『ロックフェラーに翻弄される日本』(2007年11月20日刊) 第7章 安倍前政権とロックフェラー、そして福田政権ヘ 「リアリズム外交戦略」 ─────────────────────────────────── 安倍前首相は、小泉元首相が靖国神社に強引な公式参拝を行ったためにこじれた、中国との関係をなんとか修復しようとしていた。小泉首相は、イラク戦争の復興特需がもたらす大きな利権に関心を寄せ、自衛隊を積極的に派遣した。が、経済成長著しく次なる巨大市場になることが確実視されている中国には、なぜかそれほど関心を示さなかった。なぜだろうか。それは、自身の政治的基盤である対米利権が失われてしまう恐れがあったからである。 小泉元首相は、2001年4月に行われた自民党総裁選挙の際、「首相に就任したら8月15日の終戦記念日に靖国神社に参拝すること」を条件に、日本遺族会(古賀誠会長=自民党選対委員長)の支持を得ていた。このため、中国や韓国が激しく反発したにもかかわらず、毎年参拝を続けた。首相に就任して最初の8月15日はさすがに参拝を避けたものの、8月13日に繰り上げて公式参拝した。 小泉政権時代の中国はどんな状況にあったか。 歴史的に見ると、中国では華僑系の客家で構成される広州財閥に対し、上海を中心とする浙江財閥という二つの大きな流れがあり、両者はある程度提携しつつも利害関係が衝突する場面では抗争してきた。広州財閥が台湾から東南アジア一帯にまたがる流通ネットワークを構築してきたのに対し、断江財閥は理科系のエリートを輩出し、レアメタル等の鉱物資源の権益を掌握することに腐心してきた。 一時代を築いた国家主席・鄧小平は、1990年6月の天安門事件の際、保守派長老の支持を受けた李鵬首相の共産党総書記就任を阻止するため、江沢民上海市党委書記(当時)を総書記に抜擢し、同時に当時50歳にも満たなかった若手政治家・胡錦涛(現主席)をさらにその次の後継者として指名した。胡錦涛は断江財閥系の人物ではあったが、鄧小平と同じ客家出身で、毛沢東の権力基盤だった共産主義青年団(共青団)に地盤を置き、チベット自治区での民族問題の平定に辣腕を振るい頭角を現していた。… … …(記事全文2,308文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)