━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2022年6月27日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サウジから石油を買っていた中国はウクライナ危機以降、ロシアにシフト。サウジ皇太子はロシア支援のトルコで百年ぶりのアラブ式挨拶。増産に応じないアラブに追い詰められたバイデンはイラン核合意に舵を切る。 ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕 中東との貿易に携わる情報通からの特別情報である。 イラン核合意再開の動向が注視されるなか、原油先物は1ドル以上下落した。核合意再開により、経済制裁が解除となれば、晴れてイランは原油を輸出することができる。それを受けての原油先物価格の下落である。サウジアラビアがなかなか米国からの増産要請に応じようとしないため、追い詰められたバイデン大統領は、イラン核合意再開に舵を切るしかなくなった。ロシアに対して経済制裁を課すことを扇動した米国の立場はいま、相当に苦しい。世界中が原油価格の高騰による経済的な煽りを受けるなか、制裁を受けているはずのロシアには、安いロシア産天然ガスを買い入れている国からどんどん資金が流入している。その筆頭が中国だ。これまで中国はサウジから大量に石油を買っていた一番の得意国だったのだが、ウクライナ危機以降、購入先を価格の安いロシアにシフトし、パイプラインで大量に購入している。これにはサウジアラビアも段取りが狂ってしまっている。それぞれの国がそれぞれの思惑で、牽制し合っている。 サウジアラビアは、ウクライナ侵攻では、ロシア寄りで動いてきた。ところが当然、米国はロシア寄りの立場をとるサウジに圧力をかけてきた。原油高高騰に拍車をかけるロシア制裁には、欧米としてはサウジの協力が必要だったのだ。「原油の増産要請」の目的で、7月13日からバイデンは東を歴訪する。当然、サウジにも訪問する。そのバイデンの中東歴訪を前に、サウジのムハンマド皇太子が先に中東を歴訪した。特に、注目だったのがトルコ訪問だ。サウジとトルコは、2018年にトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で起きたサウジ人記者・カショギ氏殺害事件を巡って関係が悪化していた。しかし、ここへきて、トルコは「カショギ氏殺害」の刑事訴訟の審理について、管轄をサウジの司法当局に移す判断を今年4月7日に決定し、両国の関係修復を図り、今回のムハンマド皇太子訪問で「手打ち」を世界に向けて大きくアピールすることとなった。 エルドアン大統領はムハンマド皇太子を歓迎するため、大統領府で騎馬隊や儀仗兵が参加する大々的な式典を開いた。その式典において、ムハンマド皇太子は「あなた方に平安あれ」とイスラム式の挨拶の言葉を発し、その言葉で式典が始まった。このイスラム式挨拶は、トルコでは百年ぶりに発せられたアラビア語の挨拶であった。言い換えれば、100年間封印されてきた挨拶の言葉でもある。 【参考】「原油先物1ドル超下落、イラン核合意やロシア産石油巡るG7協議に注目」… … …(記事全文3,732文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)