━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2022年5月18日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 昭和39年発刊の西村敏雄元陸軍少将著「北欧諸民族の祖国愛」に記された日本とフィンランドの知られざる深い関係と「民間防衛」 ─────────────────────────────────── https://foimg.com/00018/niawln 「歴史的瞬間だ」とNATOのストルテンベルグ事務総長は語ったという。ついに、フィンランドとスウェーデンが18日、NATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請した。 私の手元には、昭和39年に発刊された赤い表紙の古い本がある。昭和39年当時、高校生だった私は、六本木にあった防衛庁の海上自衛隊幕僚監部に勤めていた父親から読むようにと、その赤い表紙の本を手渡された。それは庁内で配られていたものらしく、日本民主協会というところが発行した西村敏雄元陸軍少将著の「北欧諸民族の祖国愛」というタイトルの本である。奥付には非売品と記されているため、一般書籍として発刊されたものではない。当時は、自衛隊の存在について、いろいろと議論があった頃であり、「民防(民間防衛)」ということで議論する人たちも少なくなかった。陸海軍の再建ということもさることながら、日本人の防衛意識を高めることを意図したものだったといえる。西村敏雄元陸軍少将は、昭和14年よりフィンランド・スウェーデン各公使館附武官の経歴を持ち、そのとき見聞、観察してきたことを想起し随筆風にまとめた内容となっている。日本人がなかなか知り得ない北欧の人々の暮らしぶりが掲載されており、非常に参考になったものであり、57年の時を経て、いまも私の手元に置いている一冊なのだ。祖国愛の強い国家として紹介された北欧フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請したということで、あらためてこの一冊からいまも印象的に記憶に残っている部分を以下ピックアップしておこうと思う。 日本語によく似たフィンランド語 フィンランド人は、自ら東洋人であると称える人が多い。果して民族学的に東洋人であるかどうか、はっきりした根拠は不明である。然しフィンランドと云う言葉は、正にフンヌ(匈奴)の国と云う意味と思われる。その点ではヨーロッパではハンガリー『つまりウンガール)これもどうもプレス人と云う意味に取れる。そこでフィンランド人に云わせると、東洋で日本人、朝鮮人、蒙古人、ヨーロッパでハンガリー人、エストニヤ人、フィンランド人、これは同じ系統に属する民族で、ウラールアルタイ語系の民族だと言っておる、言語学的に云えば確に此の日本、朝鮮、蒙古、ハンガリー、エストニヤ、フィンランドは、一つの言葉の形態を持っておるから、これをウラールアルタイ語系の人種であると、云えるのかも知れない。そのようにフィンランドの言葉は、日本語にまことによく似ておる、私は或時友人を送ってヘルシンキの港に立った。小さい連絡船がエストニヤに向って出発した、船が離れてから思い出したことがあって、私は岩壁から大声で友人の名を呼んで用件を伝えた。友人はそれが判って合図してくれた。ところが一老婦人が静かに私の傍にやって来て、鄭重にものを訊く、『今あなたのお話しになりました言葉は、一体どこの言葉ですか。実に我々のフィンラン語によく似ておるが意味は判らない。遠くから最初に聞いた時には、フィンランド語で話しておるとばかり思ったが、近寄って聞いたら、さっぱり意味は判らない、フィンランド語ではないようです。而もエストニヤ語でもなさそうです。私は多少エストニヤ語が判ります。一体どこの国の言葉ですか?。こう云ってしげしげと私の顔を見る。私は日本人で今話したのは日本語です。と答えると、老婦人は『左様ですか、私は度々、フィンランド語は、日本語に似ており、従って日本人とも民族的に関係があるのだと、聞かされておつたが、正に今日はそのことがよく判りました。』 と云って私に『誠にすみませんが、もう暫らく日本語を話して聞かせて呉れませんか』と云う註文である。これには私も全く弱った。あたりに日本人も居ないし、私一人で大声に何か日本語で、しゃべると云うわけにも行かず、これには私も弱って、笑いながら『どうぞ私の家にお遊びに来て下さい』と案内をしておいて帰った。民族的に果してフィンランド人が、日本人と繋がりがあるかないのか知らないけれども、言葉の上ではそのように耳に響くわけで、そのわけに、語尾が大低母音に終つて居る点であらうと思う。日本語は大低これをローマ字に綴ってみると、語尾に母音がつくから、何かおさえ附けたような感じの言葉になる。ところが英語、独逸語、仏蘭西語等は、語尾が子音である場合が非常に多いために、言葉が柔かにフンワリとはね上るように軽く消えて行く。そのためにヨーロッパで日本語を話して見ると、まことに重々しい口調でドスッ・ドスッとおさえつけるような感じがするのは不思議である。フィンランド語やエストニヤ語は、此の日本語のように語尾に母音で終わるものが非常に多い。今一つ、このフィンランド語に前置詞を持たない言葉で、その点では日本語と同じように総て後置詞である。例えばフィンランド語で、ポケットをタスクと云うが、そのタスクに前置詞をつけないで後置詞をつける。タスクーンと言えばポケットへであり、タスクースタはポケットカラである。タスクッサと言えばポケットになる。このように独逸流のインとか、アウスとか、フオンとか云ったような前置詞を一切使わない所が正に日本語と似た点である。主なる類似点は、その二点であると思うが、一般の調子がまことによく似ているために、民族学的にも関係ありと云われる論拠であろう。然しそれかあらぬか此の人々の顔は、確にモンゴール風であり、他のヨーロッパ人とは多少の違いがある。頬骨が出て比較的部厚などつしりした顔と、その表情が他のヨーロッパ人の如く、繊細な軽快さがなく、鈍重であると云うような点は、正に或はモンゴール系の人種ではあるまいかと思われる節々である。… … …(記事全文8,488文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)