━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~ 2022年3月17日 ◆─── - - - - - - - - ───◆ 世界の政治・軍事・経済・金融を支配するパワーエリートの動きやその底流で 行われている様々な仕掛けなどを中心に、重要情報(特ダネ)をキャッチして速 報する。 政治評論家 板垣英憲 ◆─── - - - - - - - - ───◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中露は長い国境線を抱えて、歴史的に敵同士ではあるが、敵の敵はお仲間だ。インド政府も、ロシアとの決済にルピーを使えるシステムを急遽、構築中。欧米を中心にした金融体制が崩壊したということだ。(satoko女史) ─────────────────────────────────── ◆〔特別情報1〕 これは、在米30年超の個人投資家satoko女史からの、ウクライナ情勢のトップ情報のつづきである。 SWIFTからロシアを締め出すという制裁に関してだが、3月11日(金)を最後にロシアはSWIFTから消えた。3月12日(土)から、ロシアは新しい国際送金メッセージ・システムを使わなければならないのだが、ロシア自身ももう、そのようなシステムは持っているし、クレジットカードの銀聯で助けてくれた中国も持っている。中露は長い国境線を抱えて、歴史的に敵同士ではあるが、敵の敵はお仲間だ。インド政府も、ロシアとの決済にルピーを使えるシステムを急遽、構築中だ。欧米を中心にした金融体制が崩壊した、ということだ。米軍が大混乱の中、アフガニスタンから撤退した直後、ロシアとサウジアラビアが軍事同盟を結んだ。その詳細はわからなかったのだが、今回のウクライナ爆撃とロシア経済制裁への布石だった訳だ。 サウジアラビアは、アメリカに石油代金決済にペトロダラーでなくて現物のゴールドが欲しいと言っている。中国は、上海黄金交易所というのを8年前に開設していて、この取引所を使い、石油の輸入代金を実質、現物のゴールドで支払っている。アメリカだけが利益を享受してきたペトロダラー体制は、これで終わり。この上海の取引所は、Comexの90倍の量の現物を引き渡しており、実質的に世界最大の貴金属取引所に成長している。印刷するだけで済むオモチャのお札みたいだった米ドルの、基軸通貨としての地位も、これで終わり。本当はただの株式会社だったウソみたいな中央銀行体制も終わり。各国中央銀行は、このところデジタル通貨を発行して生き残ろうと必死だが、これは最後の最後のあがきで、発行しても、確実に、失敗する。 3月7日に、LBMA(ロンドンの貴金属業者の団体)とCMEグループ(シカゴ、ニューヨークの商品取引所。デリバティブ市場)が、ロシアの金銀の製錬業者6社の金銀地金商品は新たに取引を行わないことを発表した。これらの団体はもともとデリバティブ市場で、もう青息吐息の状態。現物はコントラクトの半分くらいしか倉庫にないと言われている。恐竜がよろよろ歩いていて、倒れる寸前だ。ウクライナ急襲後、金銀価格は本格的に上昇しており、アメリカ国内の貴金属小売り業者の所にある商品は、金はまだ在庫に少し余裕があるが、銀の方は急速に消えつつある。(日本の業者も調べてみたら、かなり在庫がなくなりつつある。)あるアメリカの大手小売り業者は、一日でアメリカ造幣局の銀貨だけで7万枚(1枚1オンス=31グラム)売ったと言っていた。投資家としては、ロシア製かどうかなど、問題にしているような状況ではなくなっている。それに、ロシア製品を買ってスイスなりアメリカなりで製錬しなおすのは簡単なので、全く無意味な制裁だ。ロシアの中央銀行は、公称で2300トンの金を持っている。3分の2はモスクワ、残りはペテルブルグとエカチェリンブルグにあるという。その施設の写真を見たことがあるが、ニューヨークの連邦準備銀行地下の観光客用の舞台セットみたいなウソっぽい金庫とは全く違い、大手貴金属業者の倉庫と同様の、本物の貴金属専用の保管施設だった。ニューヨークFedの金の延べ棒(=12キロ超)は多分、タングステンに金メッキだ。私が日本からのお客さんと一緒にツアーに参加した時は、金庫だってスカスカだった。 ◆〔特別情報2〕 金融サービス関係の制裁では、前回書いたマスターカードとビザ、ロシアの大銀行以外に、仮想通貨関係の制裁も始まっている。アメリカの大手取引所のコインベースはロシア人を締め出した。カナダでトラック軍団に寄付した人も銀行口座を凍結することになった頃だが、別のアメリカの大手取引所のクラケンの社長が、マスコミから「もしアメリカ政府から顧客情報の提出を要請されたら、提出するのか」と質問され、「提出する」と答えていた。「分散型」なんて掛け声だけで、現実は中央集権的なのだ。クラケンは今のところ、ロシア人口座の凍結はしてない。また、もともと中国人が始め、現在はマルタに本社を置く最大手の取引所バイナンスは、制裁は対象のロシア人個人だけで、ロシア人全般を締め出すことはしないと発表している。バイナンスは、中国共産党の息もかかっているので、当然といえば当然のことだ。… … …(記事全文4,722文字)
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)