□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年3月27日第249号 ■ ============================================================= 無能なティラーソン米国務長官に従属するしかない日本外交 ============================================================== 何の成果も示せないトランプ政権であるが、その中でも私の専門である外交はまったく姿が見えない。 その外交を担うティラーソン米国務長官は一体何をしようとしているのか見えてこない。 初のアジア歴訪を行って北朝鮮の核ミサイルを非難した時、北朝鮮はビジネスマンごときが何をほざくか、と言わんばかりの暴言を繰り返してた。 それを知った時、ここまで酷評できる国は北朝鮮ぐらいだと私は内心笑いながら思った。 しかし、私も、このティラーソン国務長官は、ロシアとのビジネスには成功したかもしれないが、そのロシアとトランプの関係が凍結された今、果たして外交に手腕を発揮できるのか、疑わしく思って来た。 いつまでたっても米外交はどこに向かっているか見えない。 そう思っていたら、きょう3月27日の読売新聞の「海外メディア」のコラムで早大客員教授の春名幹男氏が教えてくれた。 日本のメディアから受ける印象とは裏腹に、欧米メディアのティラーソン国務長官の評価は極めて低いということを。 国際ジャーナリズム専攻の春名氏は、米主要紙はもとより、英国紙やネット情報、米外交誌フォーリンポリシィなどの記事を紹介しながら、「存在感を示せない沈黙の長官」と見られていると書いている。 そして、コロンビア大学教授の言葉を引用して、国務長官の五つの力の源泉、すなわち、①大統領の支持②国務省キャリア職員の助言と支持③他国の政府指導者からの称賛と協力④諸外国の外交官の評価、のどれを取ってみても、ティラーソン国務長官の場合はこの力学が悪く作用していると書いている。 日本のメディアでは決して見られないティラーソン米国務長官の評価である。 そしてティラーソン米国務長官の評価については、日本のメディアが欧米メディアの足もとにも及ばないことは言うまでもない。 そんなティラーソン米国務長官を、米国の国務長官というだけであがめたて、従属するしかない日本外交が、国際的に何の影響力も示せないのは当然である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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