□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年3月14日第208号 ■ ============================================================= 石油以外にサウジアラビアに何があると言うのか ============================================================= 安倍首相をはじめとして岸田外相、世耕経産相、小池百合子東京都知事まで、サウジアラビア国王との面会を競い合っているごとくだ。 メディアはサウジアラビア国王の訪日のニュースばかりだ。 それほどサウジアラビアは重要な国なのか。 石油と石油から得たオイルマネーをのぞけば、サウジアラビアに何が残るというのか。 35年間の私の外交官人生において、私がサウジアラビアとかかわったのは3度ある。 最初は73年の石油危機とそこから生まれた76年の第一回先進国首脳会議(ランブイエサミット)だった。 二回目は1982年―84年のサウジアラビア勤務だ。 そして三回目は2001年ー2003年の駐レバノン時代に大使として接したサウジアラビアとレバノン人の声なき声のサウジアラビア批判だ。 すべてに共通するのが金(カネ)の魔性だ。 砂漠の遊牧民(ベドウィン)が一夜にして手にした幸運を、世襲の王族がひとり占めして自分たちだけの為に浪費した姿だ。 オイルマネー欲しさに、サウジアラビア王国を持ち上げる人々の浅ましさだ。 同じアラブの民であるというのい、そして同じイスラム教徒であるというのに、世界から見捨てられたパレスチナ人と、世界が迎合するサウジアラビアのどこが違うと言うのか。 いまでも公開処刑をしたり、女性差別を国策として行う非民主国家が、なぜ批判されずにいられるのか。 サウジアラビア王族を激しく批判するのは国内のイスラム原理主義者たちであることは大いなる皮肉だ。 そのサウジアラビアの王様が脱原発を目指すという。 日本がそれに協力するという。 笑止だ。 そんなことは私がサウジアラビアにいた頃から言っていた事だ。 それにもかかわらず、いまのサウジアラビアには石油以外に何もない。 いまのサウジアラビアを動かしていると喧伝される皇太子は、虎の子のサウジアラビア国営石油会社を株式上場して錬金しようとしている。 それしか知恵がないのだ。 そのようなサウジアラビアの国王訪日を日本は国を挙げて大騒ぎしている。 中東の事を何もわかっていない日本ということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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