□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年9月3日第678号 ■ ============================================================ 「王様は裸だ」と言えない大手新聞 ============================================================ 今の大手新聞は、みな安倍首相に対して「王様は裸だ」と言えない状態に金縛りだ。 「王様は裸だ」という言葉を「アベノミクスは失敗に終わった」という言葉に置き換えてみたらいい。 「王様は裸だ」という言葉を「原発アンダーコントロールは大嘘だ」と言う言葉に置き換えてみたらいい。 「王様は裸だ」と言う言葉を「拉致問題の解決は安倍政権では無理だ」という言葉に置き換えてみたらいい。 「王様は裸だ」という言葉を「慰安婦問題の不可逆合意はいかさまだ」という言葉に置き換えてみたらいい。 「王様は裸だ」という言葉を「安倍首相と習近平の日中関係は改善不可能だ」という言葉に置き換えてみたらいい。 誰もがその通りだと思っている事が書けないのだ。 そして、今度は安倍首相の訪ロである。 安倍首相が訪ロしてプーチン大統領と会談した。 しかし、この訪ロがほとんど成果のないパフォーマンスであることは、識者は皆知っている。 いや、外交に素人の国民でもわかる。 ところが大手新聞はどう報じたか。 すべての新聞がきょうの一面トップでこう書いている。 「プーチン氏来日合意 首相、領土問題に『手応え』」(読売) 「領土問題 交渉加速を確認 日ロ首脳11月にも会談」(朝日) 「日露首脳年内2回会談 首相 領土問題に強い意欲」(毎日) 「首相『領土発展へ手応え』 プーチン氏来日12月15日会談」(日経) 「首相『領土交渉に道筋』、日露11月に再会談」(産経) これら一面トップの見出しはすべて首相官邸の言葉の垂れ流しだ。 王様は裸である事を知っていながらそうは書けないのだ。 真実を隠す大手新聞がこの国のメディアをリードし、国民に本当の事を教えないのだから、日本の政治が良くなるはずがない。 そんな大手新聞の中でただ一つ、安倍首相の今度の訪ロを一面で無視した新聞がある。 外報面で取り上げ、安倍首相とプーチン大統領の思惑のすれ違いを書いた新聞がある。 それは東京新聞だ。 そこにかすかな救いを見る(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)