□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月21日第562号 ■ ============================================================= 読者からの投稿を共有する(北朝鮮と接触を重ねる米国) ============================================================= きのうのメルマガ第561号で私は書いた。 持ち回りで国連安保理の議長国となった日本は、一か月間の貴重な任期を、ひたすら北朝鮮の非難決議づくりと中国包囲網の強化に明け暮れる愚をおかして終わろうとしていると。 それを読んだスウェーデン在住と思われる読者から、すかさず次のようなメールが寄せられた。 「昨日(7月19日)のスウェーデンの日刊紙DNによると、北朝鮮とアメリカの元高官による、非公式だが定期的な会談がストックホルムで行われていた事実を在平壌スウェーデン大使が明らかにしたということです。民間組織によるものでほぼ年一回行われていた模様。最近では一か月くらい前二日にかけて、ストックホルム近郊のSigtunaのSteninge城でストックホルム平和研究所(Sipri)の主催で開催されたとのこと。双方から5,6人が出席、アメリカ側からはかつての政府高官が出席、交渉とまではいかないが話し合いが行われ、内容はアメリカ政府に報告されているとのことでした。これは大きなニュースではないでしょうか素人の私でも、外交とはあの手この手を使うものだと思い知らされました。」 貴重な公開情報だ。 これで思い出すのが、やはり北欧の国であるノルウェーが米国・イスラエルとパレスチナの間を仲介して極秘協議を重ね成立させたオスロ合意(1993年)のことである。 もっとも、米国が北朝鮮と接触を続けていることは日本報道でも過去何度か報じられた。 私の手元にある直近の報道は、6月24付の朝日新聞「米朝 政府高官が接触」という記事だ。 その要旨は、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で米国の首席代表を務めるソン・キム北朝鮮政策特別代表と、北朝鮮のチェ・ソンヒ外務省米州局副局長が、6月22日、北京で開かれた民間主催の会議の合間に、非公式に接触していた事が分かった、と言う記事だ。 しかし、このスウェーデン紙が報じた米国と北朝鮮の接触は、最も直近の動きであり、しかも本格的なものだ。 このメールを読んで私の頭をよぎったのは、果たして日本の在スウェーデン大使館がまともな仕事をしているのかということだ。 すなわちこの記事を受けて、わが駐スウェーデン大使や駐米大使がそれぞれの外務省や国務省を訪れ、その真偽を確かめた上で日本政府に報告する。 あるいはこの記事を書いた担当記者を大使館員がおとずれて記事にしなかった情報の収集に努める。 もちろん、スウェーデンや米国が本当の事を話す保証はなく、その記者がすべてを話してくれる保証がないが、それでもそれぞれの返答ぶりを照らし合わせれば、かなりの事が分かるはずだ。 そしれらの情報を受けた安倍首相や岸田外相が、我が国の対北朝鮮外交に活かしているかである。 官邸の意向に全面的に服従する最近の外務省を見てると、そのような最低限の外交活動すらもやっていないような気がするのである(了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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