□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月20日第561号 ■ ============================================================= 安保理議長国の立場を中国・北朝鮮叩きに浪費して終わる日本 ============================================================= 日本が7月から国連安全保障理事会の議長国をつとめている事を知っている国民はどれほどいるだろう。 その議長国は、一か月ごとにアルファベットの国名順に、持ちまわりで引き受ける事になっているということを知っている国民はどれほどいるだろう。 そんな、どの国も平等に引き受ける議長国であっても、その気になれば議長国としての強い権限がある事を知っている国民はどれほどいるだろう。 きょう7月20日の毎日新聞が一段の小さな記事で報じていた。 北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、岸田外相は記者団に、日本が安全保障理事会の議長国を務めている事に触れて、「安保理として迅速に意思表示をしなければならない」と表明したと。 安保理として北朝鮮を非難する報道声明のとりまとめに向け、関係国と協議に入ったことを明らかにしたと。 しかし、日本の議長国としての任期はあと10日で終わり、8月からはマレーシアに引き継がれる。 日本は7月一か月の間に議長国として一体何を何をしたというのか。 北朝鮮への制裁強化と中国包囲網に明け暮れただけだ。 これが憲法9条を持つ日本の外交だ。 これが安保理常任理事国をめざす日本の国連外交だ。 そして、いつまでたっても常任理事国になれない日本は、非常任理事国の選挙があるたびにアジア代表として手を挙げ、選挙に勝つことに奔走し、どこの国よりも頻繁に非常任理事国の枠を独占して来た。 憲法9条を持つ日本は、本来ならば国連議長国として他国に真似のできない平和な世界の実現に貢献できたはずだ。 その日本がアジアを代表するの言って手を挙げ、議長国となったら北朝鮮の制裁強化と中国包囲網に率先して明け暮れた。 これ以上日本外交の無能さを示す事はない。 その日本外交の最重要課題が、国連安保理常任理事国入りの実現に向けた国連改革であるという。 これ以上の悪い冗談はない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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