□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月11日第538号 ■ ============================================================= 森永卓郎の書評が教えてくれるこの国の不条理 ============================================================= 森永卓郎という経済批評家がいる。 その森永卓郎氏が教えてくれているのではない。 その森永卓郎氏が書いたある本に関する書評が教えてくれている。 たまたま目にした週刊ポストの最新号(7月22・29日号)の書評欄に、「最強の国家権力・国税庁」(大村大次郎著 中公新書ラクレ)という本の書評を森永卓郎氏が書いていたのを見つけた。 彼は、元国税庁調査官が国税庁の実態を舌鋒鋭く批判するこの本を評価している。 自分が知らなかった事を教えてくれるこの本の価値を絶賛している。 その一例をあげればこうだ。 国税職員のほとんどは退職後に税理士になるが、企業がそんな国税OBを雇うのは、税務署との交渉役を務めて欲しいという期待があるからだと。 税務署の署長や副署長が辞める時には、税務署が管轄の企業に働きかけて、税務顧問として雇ってもらう。その結果、企業と税務署の持ちつ持たれつの関係ができる。「癒着もいいところ」だと、著者の元国税庁職員である大村氏は暴露しているという。 その一例だけで十分だ。 この森永氏の書評だけで十分だ。 この著書を読まなくても、何が書いてあるかわかる。 そして私は森永氏のように「はじめて知った」と驚かない。 企業と官僚の「癒着もいいところだ」は、国税庁に限らない。 およそあらゆる天下りの原点はここにある。 これを断ち切らなければ世の中の不正義はなくならないのだ。 真面目に働いて、真面目に納税する一般国民は浮かばれないのだ。 しかし、この不正義を断ち切ることは、今の政治では出来ない。 たとえ共産党が政権を取っても出来ないのだ。 選挙がほとんど無意味である理由の一つはここにある。 世の中は不条理であり、それが放置されている。 そのことを教えてくれる森永卓郎氏の書評である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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