□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月11日第537号 ■ ============================================================= 日中の間で空中戦闘(ドッグファイト)が行われていた衝撃 ============================================================= 私は7月1日のメルマガ第511号で書いた。 元自衛隊空将の織田邦男という人物がインターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃を仕掛けてきたから応戦したと書き、その配信を引用してメディアの一部が「尖閣すでに戦闘状態」と報じたと。 これが事実なら深刻な事態だ。なぜそのような重要な第一報が政府によって国民に知らされることなく、自衛隊OBのネットで流されたのか。これは重大なシビリアンコントロールの逸脱ではないか。いくら選挙期間中であるとはいえ、このような重大なシビリアンコントロールの逸脱について、政治がまるで監視の役割を果たしていない。安保法廃止を選挙の争点にするのもいいが、目の前で進行している戦闘状態を阻止することこそ政治の役割だ、と、そう書いた。 しかし、その後、この自衛隊元空将のネット上の衝撃的な配信を問題視するメディアは皆無だった。 そう思っていたら7月8日の朝日新聞が書いた。 中国国防省の楊宇国防省報道官が7日、内外のメディア向けの懇談会で、「日本側は、直接的な脅威の有無にかかわらず、赤外線の妨害弾(フレア)を使用したというが全く理解できない」と述べたと。 すなわち、日本機はフレアを投射して退避したとすれば、それは戦闘行為そのものであり、そんな行動を日本機がとったとしたら、日本が戦闘行為を仕掛けたのだ、と言っているのだ。 私がその朝日新聞の記事で注目したのは、その後に書かれていた河野克俊統幕議長の言葉だ。 すなわち河野統幕議長は同じ7日に行われた記者会見で、フレアの使用については「一切コメントを控える」として自衛隊機の行動を明らかにしなかったが、「一般論だが、予防のために出すこともある」と述べたというのだ。 これは自衛隊機が戦闘行為を行った事を認めたようなものだ。 そう思っていたら、今日7月11日発売の週刊プレーボーイ7月25日号を見て腰を抜かさんばかりに驚いた。 6月17日に東シナ海上空において、日本の自衛隊史上初めての空中戦闘(ドッグファイト)が行われていた事を詳細に書いている。 ここまで詳細な情報が外部に漏らされたとは、完全なシビリアンコントロールの逸脱だ。 この国の安全保障政策は、国民の知らないうちに、もはや完全に政府の手を離れ、自衛隊に白紙委任されているということだ。 この週刊プレーボーイの衝撃的な記事が、今後メディアや国会で一切問題視されないとしたら、憲法9条改憲どころの話ではない。 すでに現実は戦前に逆戻りしているということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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