□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月10日第533号 ■ ============================================================= 米韓同盟を優先し中国との関係を悪化させた韓国の誤り ============================================================= 私は韓国の政治情勢に疎い。 そして韓国嫌いの産経グループのことだから眉に唾をつけて見なければいけない。 しかし、もしこれらの記事が正しければ、朴大統領は大きな誤りをおかしたのではないか。 それを許すなら韓国の将来は暗い。 きのうの夕刊フジ(7月10日号)が書いた。 朴外交は米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)を受け入れた事で破たんした。中国を激怒させた。もし、貿易総額の20%を超す最大の貿易相手国である中国が経済報復すれば、低迷する韓国経済は更なる打撃を受けることになる、と。 そして、きょう7月の産経新聞は書いている。 アジア投資インフラ銀行(AIIB)で創設メンバー国の韓国が副総裁の職を失う事になったと。韓国メディアによると中国の報復ではないかとの見方が広がっていると。 私は米国との軍事同盟を重視する一方で対中関係をも重視した朴大統領のバランス外交を、憲法9条を捨ててまで日米軍事同盟一辺倒に突き進む安倍首相の外交に比べて、評価して見ていた。 ところが、その私の朴大統領への外交評価は、慰安婦問題に関する不可逆合意から一変した。 米国の圧力に屈したことは明らかであったからだ。 そして、今度の米国の高高度防衛ミサイル設置だ。 その背景にはやはり米国の強烈な圧力があったと報じられている。 もし朴大統領が、北朝鮮の核実験、核ミサイル発射に対して米韓軍事同盟強化で対応しようとしたなら大きな間違いだ。 北朝鮮への脅威、挑発こそ、米国とではなく、中国との関係を強化して外交的に対処すべであると考えるからだ。 金正恩の北朝鮮が暴走している時こそ、朴大統領の韓国は、中国や米国に対し最強の外交カードを持っていると心得るべきだ。 それを捨てて安倍首相の日本と対米従属を競ってどうする。 北朝鮮の暴動を止めるには中国の政治的、軍事的影響力に頼らざるを得ない事は米国自身も認めているというのに、その中国との関係を悪化させて米国の圧力に屈してどうする。 私は韓国の政治事情には疎いが、もし韓国野党や国民が、この朴大統領判断を許すなら、それは韓国全体の問題だ。 韓国の将来は、安倍首相の日本より暗い(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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