□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月10日第532号 ■ ============================================================= オバマ大統領がめざすレーガシィ(遺産)は黒人問題の解決だ ============================================================= 二期8年の任期を全うするオバマ大統領がその成果として残すべく、その限られた期間に全力を傾けるべき課題は何か。 それは平和(核廃絶)でも景気回復でも銃規制でもない。 ズバリ、米国における黒人差別の廃止だ。 米国でまた、黒人差別からくる銃撃事件が起きた。 黒人が白人警官に射殺される事件が後をたたない中で、白人警官に報復するための大量銃殺事件が起きた。 オバマ大統領は急きょ外遊を切り上げ、「米国は分断されてない」と鎮静化を図ったらしいが、もうそのようなウソは止めた方がいい。 米国は白人と黒人に分断されている国家なのである。 その事を私はデトロイト総領事の三年間で知っている。 もっといえば、白人が黒人を差別することを私は南アフリカのアパルトヘイト問題を担当して知っている。 この人種差別の撤廃は、この世の中から戦争をなくす事と並んで、人類の究極の課題なのだ。 オバマ大統領は平和と核廃絶を謳う。 しかし、それが口先だけである事は8年間の任期で明らかになった。 今度の外遊もNATO首脳会議出席だ。 そのNATO首脳会議の最大の目的は、ウクライナ問題で対立が決定的になったロシアに対する包囲強化だ。 もはやオバマ大統領では世界の平和は実現できない。 そうであれば、せめて米国内の黒人差別問題に本気で取り組んだらどうか。 黒人の市民権獲得に命をささげたキング牧師の爪の垢でも飲んだらどうか。 米国史上初めての黒人大統領の下で人種問題が深刻化したというのでは遺産どころか不名誉しか残らない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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