□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月7日第527号 ■ ============================================================= 「小池百合子の乱」が日本の政治を変える予感 ============================================================= 最初は参院選挙をぶっ飛ばしたぐらいにしか思っていなかった。 しかしとんでもないことが起こりそうだ。 事の成り行き次第では、「小池百合子の乱」が日本の政治を変える予感がする。 裏であやつる者がいるとは思えない。 小池百合子にそこまでの深謀遠慮があったとは思えない。 しかし、政治は生き物だ。 「小池百合子の乱」が独り歩きし、日本の政治を激変させ、あたらしい日本の政治つくるきっかけになるかもしれない。 もちろん私はそれを歓迎する。 なぜ私がそう思うか。 なんといっても安倍一強に喧嘩を売ったからだ。 間違いなく安倍・菅は激怒している。 それを証拠に、御用政治評論家がみな小池を叩いている。 田崎史郎など、その取り乱しぶりは滑稽ですらある。 それだけではない。 私が驚いたのは、東京都議会のドンと言われている内田某に喧嘩を売った事だ。 国民の見ている前で、帽子をかぶったまま謝った。 内田の面目丸つぶれだ。 しかし、考えて見るがいい。 こんな男の何がドンだ。 一都議が東京都議会を支配し、東京都知事を手玉に取り、国会議員さえも従わせる。 そんな内田と都議会がおかしいのだ。 それを当然のように書くメディアがおかしいのだ。 つまり「小池百合子の乱」は、安倍自民党の一興支配をぶった斬る、その返す刀で、伏魔殿である東京都議会をたたっ斬るのだ。 それは、とりもなおさずこれまでの日本の政治をぶっ壊すということだ。 安倍政権を倒すのは野党ではない。自民党内部の対立が起きた時だ。 そう喝破する政治評論家がいるが、まさにその通りである。 それが起きるかもしれない。 国民の多くは、自民党から野党連合への政権交代なぞ、望んではない。 ましてや左翼政権など望んではいない。 安倍政権が倒れ、安倍一強の自民党が変わればいいのだ。 そして、野党共闘では安倍政権を倒せない事が今度の参院選で明らかになる。 そうであれば小池百合子に期待するしかない。 安倍首相は愚かだ。 私が安倍首相なら小池百合子を公認して抱き込み、安倍長期政権を確実にするが、逆らう者を許さない狭量の安倍首相は、分裂選挙にさせた。 分裂選挙になれば、都知事選の結果がどうであれ、都知事選の後は、自民党は分裂に向かって走り出す。 そして、最後は安倍派と小泉進次郎派の対立となると私は思う。 小泉純一郎が小池百合子の勇気を讃えたからそう思うのではない。 あれは、その言葉通り、持ち前の政治勘で、小池百合子の覚悟に感心したのだ。 事前に相談を受けた事はないと言ったのもその通りだろう。 応援することはないというのもその通りだ。 しかし言葉は、発せられたとたんにひとり歩きする。 小池百合子は小泉を味方につけ、小泉も小池を見えない形で応援することになる。 そして私が小池なら脱原発宣言をする。 これで小池百合子と小泉の連携は決まりだ。 国民は拍手喝さいだ。 安倍政権を倒す事も、日本の政治を変える事も、そして脱原発の日本を宣言する事も、本来ならば野党共闘が真っ先に行うべきなのに、野党にその力量も知恵もない。 「小池百合子の乱」は安倍自民党を分裂させ、内田伏魔殿を潰すと同時に、民進党を分裂させ、野党共闘を潰すことになるのである。 そして、その行き着く先は、小泉進次郎の自民党政権の前倒し実現である。 安倍自民党と小泉進次郎の自民党のどこが違うか。 どちらも日米同盟重視、対米従属であるところは同じだ。 しかし、国粋・右翼の安倍晋三の自民党と、バランス感覚の優れた親米保守の小泉進次郎の自民党では月とスッポンだ。 小泉進次郎が自民党の大勢となるのは時間の問題であり、そのような自民党を、メディアも国民も歓迎、支持する。 もちろん米国も歓迎する。 中国ですら歓迎するだろう。 もはや参院選に負けることがはっきりした岡田は、参院選直後に辞任する。 それを見越したかのように、都知事選の候補者選びは、岡田執行部の意向を無視するかのように松原仁東京都連会長などが暴走しているが、話にならない。 長島では共産党は応じられず、宇都宮では民進党は応じられない。 増田では小池に勝てない。 「小池百合子の変」が、民進党を分裂させ、野党共闘を潰すという意味はそういうことだ。 東京都知事選が終われば、すぐに解散・総選挙が待っている。 民進党は分裂して混迷し、弱小政党は消え、みずから音頭をとり、党是を捨ててまで野党共闘に突き進んだ共産党は、野党共闘の失敗によって、もとに戻るしかない。 共産党が共産党である限り、左翼が大同団結することはあり得ず、たとえしたとしても国民政党にはなり得ない。 かくして「小池百合子の変」は、日本の政治から左翼の存在を有名無実化し、親米保守の小泉進次郎を実現させて、自民党永久政権をもたらすことになるのだ。 しかし、小泉進次郎は、「日米同盟と憲法9条という矛盾を見事に両立させる。 改憲を封じ、安倍外交を一変させる。 日米同盟を堅持するが、アジア重視外交に戻る。 中国との関係も改善させる。 内政にあっては国民の声に耳を傾けるようになる。 日米関係ですら、米国を怒らせない形で日本の国益を守るように努めるだろう。 米国と相談して辺野古移転を止めるかもしれない。 米国もまた変わらざるを得ないのだ。 そうなるとますます野党は要らなくなる。 ましてや左翼政党の出番は不要になる。 ひとり共産党だけが、根強い支持者を維持したまま、権力の監視役を果たすことになる 国民はそれでいいのだ。 本来ならば、日米同盟から脱却し、対米自立の平和外交を掲げる保守政党との二大政党制が望ましいのかもしれないが、そして私もそれを唱えて来たが、小泉進次郎の自民党が国民の声を最優先する正しい政治を行うならば、それでいいのかもしれない。 果たして「小池百合子の乱」は私の予感通り展開していくのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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