□□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月6日第526号 ■ ============================================================= 抑え込まれた日米地位協定改正と沖縄問題解決の絶望感 ============================================================= いくら予想されたとはいえ、そしていくら選挙中で政治が機能していないからといって、こんなにあっさりと日米地位協定の改正気運が抑え込まれるとは。 これで日米地位協定の改正は永久に出来なくなった。 日米同盟からの自立など夢のまた夢である。 7月5日に合意された軍属の範囲縮小の報道を見てつくづくそう思った。 これは日米政府の合意ですらない。 ケネディ駐日米国大使・ドーラン在日米軍司令官と、岸田外相・中谷防衛相との間の合意でしかない。 しかも、合意の文書は存在しないというから驚きだ。 これからその内容の作成に取りかかるという。 あまりにもフザケタ話だ。 それにもかかわらず、この合意について社説で疑義を唱えたのは東京新聞と毎日新聞だけだ。 朝日は沈黙し、読売は評価すらしている。 残念なのは翁長知事の物わかりのいい言葉だ。 「実効性のあるものになるか心配だ」と懸念するだけだ。 「地位協定の抜本的な見直しが必要だ」と繰り返すだけだ。 怒りがまるで伝わってこない。 いうまでもなく、日米地位協定見直しは、米軍犯罪の裁判管轄権だけの問題ではない。 ましてや軍属の範囲を縮小するような矮小な問題ではない。 米軍に日本の主権を白紙委任していいのかという大問題である。 日米同盟の根幹にかかわる問題である。 分かっていながら、なぜそれが、国民的問題に広がっていかないのか。 なぜ、不幸な沖縄の女性殺害事件を生かすことができないまま、かくもあっさり封印されて終わってしまうのか。 これでは沖縄問題は解決出来ない。 辺野古移設じゃ阻止できない。 そういう絶望感を抱かせる7月5日の日米合意とメディアの報道ぶりである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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