□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月4日第519号 ■ ============================================================= 日本政府が日米地位協定を変えられないもうひとつの理由 ============================================================= 日米地位協定の改定問題がすっかりなりをひそめ、そのかわり、「軍属」の範囲を限定する方向で大筋合意したという報道がやたらに目につくようになった。 しかも、それさえも日米地位協定の改定で行うのなら、まだいい。 ところが、文書による確認であるという。 それを「実質的な改定」であると押し切るというのだ。 もし、今度の事件でも日米地位協定の改定ができなければ、もはや日米地位協定の改定など永久に出来ないだろう。 なぜ日米地位協定の改定は出来ないのか。 それは米国が決してそれを認めないからだ。 そして日本は決してそのような米国に反論しない対米従属であるからだ。 しかし、もうひとつの理由がある。 少し前の記事であるが、沖縄記念日である6月23日の朝日新聞のオピニオン欄で、前泊博盛(まえどまりひろもり)沖縄国際大学教授が教えてくれていた。 日本も日米地位協定と同じ様な不平等協定を2003年に、自衛隊を派遣したクウェートや自衛隊が拠点を置くジブチと結んでいると。 すなわち、自衛隊員が現地で罪を犯した場合、公務中か否かにかかわらず裁判権を日本が持つなど、日米地位協定と同様の不平等な内容を持った協定を結んでいるというのだ。 そんな日本が、米国に地位協定改定を求められるはずがない。 自衛隊の海外派兵・駐留こそ、日米地位協定改定を阻む壁になっているのだと前泊教授は喝破している。 米国にいじめられている日本が、より弱い国をいじめる。 こんな日本に、日米地位協定など変えられるはずがないと前泊教授は言っているのだ。 絶望的な日本政府・外務省・防衛省である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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