□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月28日第348号 ■ ============================================================== どこまでも安倍首相を怒らせる習近平の中国 ============================================================== 次期首相気取りの岸田外相がメディアに頻繁に登場するようになった。 ケリー米国務長官の広島訪問に次いで、日中関係改善だ。 岸田外相は来月訪中し王毅外相と会談するという。 安倍首相と習近平主席の首脳会談実現に向けて話し合うという。 はたして成算のある岸田外相の訪中であり、日中外相会談であるのか。 私にはわからない。 日中関係改善の秘策があるのかもしれない。 しかし、私には、成算のない訪中であり外相会談であるとしか思えない。 これほど無駄で、無意味な訪中、外相会談はないと思う。 なぜならば、いまの安倍政権の下で、日中関係が改善するとはとても思えないからだ。 なにしろ安倍首相は5月末のサミットで、サミット議長の特権を使って、習近平主席が最も怒る、南シナ海における中国の軍事拡張反対の共同声明に固執しているからだ。 その一方で、習近平主席の中国も、徹底して安倍首相を逆なでする発言を繰り返している。 北京発共同が教えてくれた。 中国共産党の機関紙である人民日報の英語版と言われている環球時報が4月27日の社説で、豪州が次期潜水艦開発でフランスの企業を選んだことについて、こう書いたという。 すなわち、豪州は「経済は中国、安全保障は米国」とバランスを取ろうと努力している。そこが日本と違うところだ、と。 いうまでもなく、豪州への対潜水艦売り込みは、安倍首相のペットプロジェクトだった。 それが見事に失敗した直後に、傷に塩を塗るような事を書いたのだ。 しかも、豪州のターンブル首相は、1000人もの企業関係者を引き連れて中国を訪問し、習近平主席を喜ばせたばかりだ(4月15日) 環球時報の書いている事が正しいから、余計に腹が立つ。 こんな事で安倍首相の日本と習近平主席の中国の関係が改善されるのか。 無能な外務官僚と、それに踊らされている岸田外相が、そんな日中関係を改善できるのか。 あり得ない。 改善のメドが立たない中での壮大なパフォーマンス外交が繰り返されているのだ。 そしてそれを、メディアは一切批判しない。 こんな日本は、外務官僚と外務大臣にとって天国に違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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