□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月27日第346号 ■ ============================================================== ガザに始まりイスラム国で終わったオバマの中東政策 ============================================================== きのう4月26日の各紙が一斉に報じていた。 ドイツを訪問中のオバマ大統領は25日、ハノーバーで演説し、シリアのイスラム国掃討作戦の一環として250名の米兵増派を行うと発表したと。 この演説は、しかし、驚くにはあたらない。 すでに4月15日のワシントン発共同が報じていた。 オバマ大統領は4月13日、中央情報局(CIA)で国家安全保障会議(NSC)を開き、イスラム国対策を協議した。会議後に声明を読み上げ、イスラム国幹部の殺害を含む掃討作戦の加速を表明したと。 これが「ブッシュの米国」を否定して颯爽と登場したオバマ大統領が、迷走の末にたどり着いた姿だ。 思い起こせば、いまから8年ほど前の2008年12月にイスラエル空軍がパレエスチナのガザに大規模な空爆を開始し、2009年1月3日の地上侵攻までの死者は430人にのぼるという暴挙を行ったことがあった。 その時、まだ大統領就任式を終えていないオバマ氏は、全面的にイスラエルを擁護し、ガザのハマスを非難した。 それを知った私はオバマ大統領の正体を見た思いだった。 それから7年あまり経ち、いまオバマ大統領は最後のエネルギーを投入して大統領としての実績づくりに懸命だ。 しかし、少なくともオバマの中東政策は失敗に終わった。 オバマの外交は、弱腰ゆえに世界を混乱させたと言う批判を受けている。 私の批判はそうではない。 オバマもまた軍事力を頼んだ米国の凡庸な米国大統領のひとりでしかなかったという批判である。 最後のつけ加えておく。 オバマはハノーバー演説の後のメルケル首相との共同記者会見で、北朝鮮外相が、米韓合同軍事演習をやめれば核実験を停止する用意があると発言した事に対し、それを一蹴して、米韓軍事演習の継続を宣言した。 憲法9条の対極にある米国の凡庸な大統領ということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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