□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月26日第345号 ■ ============================================================== ハンセン病特別法廷の次は砂川判決だ ============================================================== WHOが1960年に隔離の必要性を否定したにもかかわらず、裁判所は1972年までハンセン病患者を隔離した特別法廷で差別的な暗黒裁判を繰り返して来た。 この誤りを認め、最高裁事務総局長がきのう4月25日、記者会見を開いて謝罪した。 聖域であった最高裁が自らの誤りを認め、頭を垂れて謝罪する。 前代未聞の事だ。 この光景を見た時、私は直感した。 我々はこの最高裁の謝罪を出発点として、この国の裁判所の民主化を一気に進めなければいけないと。 そして、その究極のゴールこそ、砂川裁判を下した田中耕太郎最高裁長官の弾劾だと。 東京地裁は去る3月8日、土屋源太郎さんらによる砂川再審請求訴訟に対し棄却の判決で応じた。 その時私は3月9日のメルマガ第207号で書いた。 原告側は即時抗告をして最高裁まで闘う覚悟をしていると。 しかし、その時に書かなかった事がある。 それは、訴訟と並行して、原告側が最高裁に対して砂川判決裁判の自己検証をすることを求めて行く方針を固めた、という事だ。 今度のハンセン病特別法廷について、最高裁が検証に重い腰をあげたのはハンセン病関係団体の申し入れがきっかけだったと言う(4月26日毎日新聞) ハンセン病関係団体が第三者機関の設置を求め、大学教授や弁護士らが有識者委員に選任された。 その有識者委員会とのせめぎ合いの末に、最高裁は謝罪せざるを得なくなったのだ。 同じ事が田中耕太郎最高裁長官が下した砂川判決についても出来ないはずはない。 そして、砂川判決の誤りを認める事は、ハンセン病特別法廷の誤りを認めるより、はるかに困難に違いない。 なぜならば、ハンセン病特別法廷の誤りを求めてもその他の最高裁の判決への影響は回避できるが、田中耕太郎最高裁長官の誤りを認める事は最高裁そのものを否定する事になるからだ。 だから最高裁は砂川判決を自己検証する事はしないだろう。 しかし、ハンセン病で自己検証をしてしまった最高裁に、砂川判決だからといって自己検証を拒む理屈は成り立たない。 ハンセン病の次は砂川判決だ。 砂川判決の自己検証を我々は最高裁に求めて行く。 我々だけではなく、国民がそれを求めて行くのだ。 その重要性をメディアが国民に知らせなければいけない。 最高裁が追い込まれるのはこれからである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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