□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月21日第336号 ■ ============================================================== 安保法をつくった理由を口走った藤丸防衛政務官を徹底追及せよ ============================================================== きょう4月21日の東京新聞が、見逃しそうな小さな記事だが、とても重要な事を書いた。 すなわち、藤丸敏という防衛政務官が講演で、南シナ海で人工島を建設して軍事化を進める中国を「どうにかしてくれ」と米国に要請したが断られた、という発言を講演でしていたことがきのう4月20日にわかったというのだ。 原口一博民進党議員がTPP特別委員会で指摘し、藤丸政務官はその発言内容を認め謝罪したというのだ。 ところが岸田外相は「日米でそのようなやりとりがあったとは全く承知していない」と述べたというのだ。 この東京新聞の記事は、多くの点で極めて重要な問題点を含んでいる。 まず藤丸政務官と岸田外相の答弁がまったく異なっていることだ。 もし岸田外相の発言が正しければ、これから書くことは無意味になる。 講演でウソをついた藤丸政務官だけを馬鹿呼ばわりして終わる。 だから、これから書くことは藤丸政務官が講演で語ったことが正しいという前提である。 まず岸田外相が知らなかったという驚きだ。 これほどお粗末な話はない。 岸田外相と外務省は徹底追及さるべきだ。 次に、南シナ海の人工島について、直接の当事国でない、つまり直接の脅威を受けているわけではない日本の防衛政務官が、わざわざ米国に何とかしてくれと頼んだという驚きだ。 周知のように南シナ海の人工島問題は、何よりも米国の関心事項であり、オバマ大統領と習近平主席が何度も直接に話し合って来た、米中間の最重要問題だ。 それを対米従属の日本がわざわざ米国に何とかしてくれと頼むというのは異常を通り越して滑稽ですらある。 三番目に、米国が断ったというところである。 どのような表現で断ったのか知らないが、断るという事はどういう事なのか。 中国の南シナ海人工島建設に反対しないということなのか、それとも、軍事的行動を取ってまで止めさせることはしない、ということなのか。 理解不能な米国の返答だ。 そして、極めつけはこのような質問を国会でした原口一博氏の次の発言だ。 すなわち原口氏によると、藤丸氏は講演でこう言ったと言う。 「小野寺五典防衛相(第二次安倍内閣発足当時)が米国に『どうにかしてくれ』と言ったが、『何かあった時に日本は米国を助けられないじゃないか』と言う理由で断られた。それで、多少は米国の後方支援をできるようにしないといけない、というのが安保法だ」と講演で話したという。 これが安保法を強行した理由だとしたらあまりにもお粗末だ。 許されることではない。 この藤丸発言は徹底的に国会で徹底追及されなければいけない。 すでに原口氏が国会で追及したのだ。 出来ないはずはない。 すでに東京新聞が書いたのだ。 メディアがこの問題を取り上げない理由はどこにもない。 そして小野寺五典という防衛相の名前も出てきている。 本人に証言させることは不可欠だ。 野党が本気で安保法の廃案を目指すのなら、立憲主義に反するなどという抽象的な事を繰り返すのではなく、藤丸発言を徹底追及すべきである。 これ以上の敵失はない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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