□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年4月20日第332号 ■ ============================================================== 日本に市民革命が起こらない理由はこれに違いない ============================================================== パナマ文書がはじめてメディアに流された時、私は世界で革命が起きるかもしれないと書いた。 そのとおり事態は進んでいる。 そしてその事がよりはっきりするのは、5月に前半にも行われると言われている実名リストの公表の後である。 なにしろ20万以上の会社、個人のデータだ。 公表されたものは2・6テラ・バイト(新聞2600年分相当)もの膨大な情報のごく一部だ。 その全貌が明らかになればどうなるか、誰も想像出来ない。 しかし、私は公開されただけでは、それがそのまま世界革命につながることにはならないと思う。 権力側は様々な理由をつけて、逃げの手を打つに違いないからだ。 革命が起きるかどうかの最後の決め手は、それぞれの国の市民の出方次第だ。 市民が怒り、立ち上がれば、どうなるかわからない。 それが世界中に波及すれば、あるいは世界同時革命もあながちあり得ない事ではない。 そんな中で、もっとも市民革命から遠い国が日本だ。 そのことを見事に教えてくれた記事を見つけた。 ここからが、このメルマガで私が読者に紹介したいことだ。 きょう4月20日の毎日新聞「水説」というコラムで、中村秀明論説委員が教えてくれた。 なぜあの戦争について、もっとも悲惨な経験をさせられた末端の日本軍兵士の体験談がないのか、生身の人間が出て来ない戦記はたくさんあると言うのに。 この答えを、40年にわたって4000人から聞き取りした集大成「戦場体験者 沈黙の記録」(筑摩書房)を昨年出版した作家の保阪正康氏が次のように指摘したと言う。 「語ることは封じられた」と。 そして、その本の中にでてくる戦友会での元将校の次の言葉が象徴的だ。 「おい、一兵士風情が大本営の戦史に口をはさむな」 これだ! 子の言葉こそ日本の支配層の傲慢さと、それに従う従順な日本国民の姿を象徴している言葉はない。 実は私は数年前にこの部分を保阪氏の新聞紙上の連載で読んだことがある。 そして、その時に書いた気がする。 旧帝国大学から今日に至る学歴偏重主義と、その頂点に立つこの国の官僚支配の下では、市民革命は起こらないだろう、と。 戦友会における元将校の言葉にあらがう一兵卒は、昔もいまも、日本には出て来ないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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