□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月6第199号 ■ ============================================================== 砂川事件再審請求訴訟の判決日を報じない大手メディア ============================================================== 安倍首相が辺野古和解案受け入れを電撃発表した時と相前後して、私が土屋源太郎さんから電話を受けたのは先週末の3月4日だった。 土屋源太郎さんとは、1959年の砂川事件で有罪判決を受けた一人だ。 田中耕太郎最高裁長官(当時)は、第一審である東京地裁判決(当時の裁判長の名をつけて呼ばれているいわゆる伊達判決)の無罪判決を差し戻し、東京地裁のやり直し判決で土屋さんらは逆転有罪となった。 しかし、その田中耕太郎最高裁長官が米国政府と事前に極秘裏に接触し、逆転判決を約束していたという驚くべき事実が米国の極秘文書の公開で明らかになった。 当然ながら土屋さんたちは砂川判決の再審請求を行い名誉挽回を願った。 その再審請求訴訟の東京地裁の判決を3月8日に言い渡す、そのことを東京地裁が通知してきたという。 そのことを土屋さんは私に電話連絡してきたのだ。 判決が下された直後に東京地裁で記者会見を開くので立ち会ってほしいという。 もちろん私は快諾した。 何しろ、その米国の極秘文書の原告側公式翻訳官の役割を引き受けて、この歴史的な再審請求訴訟に直接かかわってきた私である。 ただでさえ国家権力と結託しているこの国の司法だ。 間違いなく東京地裁は訴訟を門残払いして、再審請求を認めないだろう。 ましてや人事権を行使して官僚組織を思いのままに動かしている安倍政権だ。 司法もまた司法官僚によって独占されている。 おりしも辺野古移設訴訟の和解案を福岡地裁が提示し、その電撃受け入れを安倍首相が発表した。 砂川再審請求訴訟の判決日もまた相前後して下される。 そのタイミングの良さで私は確信した。 あれもこれも、すべては司法と安倍政権が示し合わせたものだと。 しかし、私がこのメルマガで言いたいことはそのことではない。 その司法と安倍政権の癒着に加担している、この国の大手メディアの反国民性についてだ。 私が土屋さんから電話連絡を受けた時、真っ先に土屋さんに聞いたのは、3月8日の判決日については事前発表されているのか、そのことを私がブログなどで書いてもいいのか、という事だった。 それに対し土屋さんは答えた。 東京地裁は記者クラブを通じて発表しているはずだ、だからどこかが報道するだろうと。 私はどこのメディアが、どのように報道するか注視してきた。 ところがきょう3月6日まで、どの大手メディアも報じない。 これだけ重要な意味を持つ訴訟であるというのにである。 おそらく3月8日の当日に判決が出てから一斉に報じるつもりだ。 あきらかな砂川再審請求訴訟隠しだ。 なにしろ、この国の司法のトップがこの国の司法を米国に売りわたしていたことが明るみになった。 その司法の反国民性を国民に知らせるための訴訟である。 安倍政権にとって、最も都合の悪い訴訟が、最も都合の悪いタイミングで起こされた。 そうなのだ。 砂川再審請求訴訟は、安倍首相の辺野古強行にとっても、憲法9条改憲の野望にとっても、もっとも都合の悪い訴訟なのだ。 だからこの訴訟の事を国民に知らせてはいけないのだ。 大手メディアが黙殺するはずである。 3月8日に行われる記者会見で、私はそのことを大きな声で言おうと思っている(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)