□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　天木直人のメールマガジン２０１６年３月２日第１９２号
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　　北朝鮮制裁決議に待ったをかけたロシア　

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　すったもんだのあげく米中が北朝鮮制裁決議で歩み寄った。

　米国の国連大使が、かつてないほど厳しい内容の制裁決議になったと誇らしげに語った。

　私はてっきりこれで北朝鮮制裁安保理決議は決まったと思っていた。

　しかし、採択されるのは日本時間で３月２日未明であることを今日の朝刊で知った。

　ということは、いまごろはもう採択されて成立していることになる。

　ところが今朝６時のＮＨＫニュースが報じた。

　ロシアが反対して採択が一日のびたと。

　それだけではない。

　ロシアと北朝鮮の取引が制裁対象から外れることになるという。
　
　もしこれが事実なら大きな修正になる。

　私はまだ南アフリカが白人政権であった時、その人種隔離政策を批判して行われた安保理経済制裁決議に、日本政府の責任者（アフリカ課長）としてかかわった経験がある。

　制裁決議は各国が一致して行わなければ効果はない。

　しかし、もし各国が一致して厳しい制裁をおこなえば、それは宣戦布告にひとしい。

　なぜならば、かつての日本のように、経済の生命線を絶たれるぐらいなら戦争するしかない、とその国を追い詰めることになるからだ。

　まさしく今度の北朝鮮制裁決議がそうだ。

　必ず抜け穴がつくられる。

　米中合意にも仕掛けがある。

　そしてついにロシアは公然と抜け穴を要求したわけだ。

　もし米国がその修正を受け入れるなら、そして受け入れざるを得ないだろうが、またしてもオバマの米国はプーチンのロシアに譲歩を迫られたということだ。

　そんなプーチンとオバマの仲介役を、安倍首相は伊勢志摩サミットで行おうとしているという。

　できるものならやってみたらいい（了）


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編集・発行：天木直人

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