□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月29日第187号 ■ ============================================================== 「自衛隊作戦を討幕が策定するようになる」と報じた産経 ============================================================== きょう2月29日の産経新聞が一面トップで書いた。 有事想定 自衛隊作戦、統幕が策定 来月にも手順決定 と。 もし東京新聞がこのような記事を書いたなら、それは、文民統制(シビリアンコントロール)逸脱への警鐘を鳴らすはずだ。 あまりにも危険だ、と国民に教える記事になっていたに違いない。 しかし、きょうの産経新聞は真逆である。 そのことを歓迎している。 すなわち、昨年6月に改定された改正防衛省設置法により制服組と背広組の対等な立場が明確化された。 だから、有事を想定した自衛隊の作戦計画を統合幕僚監部が作成するのは当然だ、といわんばかりだ。 私が問題とするのは、こんなことを平気で一面トップに掲げるようになった産経と、それを黙認するメディアの変わりようである。 これは恐ろしいことである。 一昔前なら国会がストップした産経新聞の記事だ。 それなのに国会は騒がない。 すべては一強多弱の政治のなせるわざである。 そして野党が弱くなった最大の理由は、まさしく憲法9条違反に対する危機意識が希薄になったからだ。 今度の野党共闘が嘘くさいのは、あらゆる政策の中で最も重要な憲法9条についての考え方が安倍自民党政権に近い者たちが、野党第一党である民主党を支配し、もっと安倍自民党政権に近い維新の党と合体し、野党共闘の主導権を握り、安倍政権の対抗軸の受け皿ができたと、野党5党共闘を自画自賛しているからだ。 その実態は、社民党は弾き飛ばされ、共産党はわが道を行く。 生活の党に至っては、その立ち位置についてわけがわからない。 それでも野党5党共闘が始まったとメディアは書く。 文民統制が大手を振って破られようとしているときに、共闘した野党は、声を一つにして抗議しない。出来ない。 私が野党共闘に期待を持てない最大の理由がそこにある。 そう思っている国民は、決して私だけではないはずだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)