□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月26日第177号 ■ ============================================================== 非常事態宣言を解除できないフランスはどこへ行くのだろう ============================================================== 「ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあまりに遠し・・・」 この有名な言葉は、大正2年(1913年)に発表された萩原朔太郎の詩篇「旅上」の冒頭であるという。 萩原朔太郎に限らない。 永井荷風など当時の文学者にとってフランスは憧れの国だった。 その彼らが生きていたら今のフランスをどう思うだろうか。 きょう2月26日の読売新聞が報じている。 フランスで26日、昨年11月のパリ同時テロ直後に発令された非常事態宣言が、更に3か月再延長されると。 すなわち昨年11月14日に発令された非常事態宣言は、11月下旬に3か月延長された。 その3か月がたち、更に3か月間再延長されるという。 その理由は、国内でのテロリスト予備軍が増え、テロ再発の懸念が消えないからだという。 無理もない。 昨年のはじめと終わりに二度のテロに見舞われたオランド政権にとって、三度目のテロを防ぐのは最重要課題だからだ。 しかし、非常事態宣言は「法の支配」の一時停止である。 そして、このままでは、非常事態宣言の解除のめどは立たない。 非常事態宣言はいつまでたっても解除できす、フランスは民主主義国家を放棄せざるを得なくなる。 大正の文学者ならずとも残念に思うだろう。 しかし、これが現実だ。 そしてテロの恐怖は世界中に広がりつつある。 イスラム国問題は世界でもっとも深刻な問題である。 我々はこの事を常に想起しなければいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)