□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月26日174号 ■ ============================================================== 訪ロ中止を命じたオバマ・安倍電話会談の裏話は笑い話だ ============================================================== 佐藤優は私と違って内部情報を漏らしてくれるスパイのごとき外務官僚を持っている。 それら外務官僚から得た情報を、時折メディアに流して記事のネタにしている。 きょう2月26日の東京新聞「本音のコラム」もその典型例だ。 オバマ大統領が安倍首相に訪ロを止めろと電話会談して来たことについて次のような裏話を、まるで聞いてきたように書いている。 「なぜ伊勢サミットの前に訪ロする必要があるのか。ロシアに間違えたメッセージを伝えてしまうのではないか」とオバマハ語ったと言う。 これに対して安倍首相は訪ロの意思を覆さなかったので、最後はオバマ大統領はこう言って電話を切ったと言う。 「アベが日本の国益の為に行くというのならそれでいいだろう」と。 笑ってしまったのは、その後に続くくだりだ。 これをオバマ大統領による「了解」ととるのか、強い不快感の表明である「捨て台詞」と解釈するかについて、外務省内で意見が分かれてるという。 もしそれが本当なら、これほどおめでたいことはない。 捨て台詞に決まっているだろう。 すくなくとも痛烈な皮肉だ。 お前のやっていることは国益ではなく、パフォーマンスだろう。そんな馬鹿な真似をして日米同盟という本当の国益を壊すつもりか、と言っているのに決まっているだろう。 さらにお笑いなのは、佐藤優の最後の結論だ。 日本にとっては、米国は唯一の同盟国である。しかし、だからといって日本外交が米国の政策に完全に従属する必要はない。日露は引っ越す事の出来ない隣国である。首脳レベルでの対話を行う事が日本の国益である・・・ 安倍首相に迎合する作文だ。 米国に従属する必要はないというなら、訪ロよりもっと重要な対米自立外交はいくらでもある。 それに、隣国というなら中国こそ最大の隣国だ。 それよりも、なによりも、佐藤優は今度の訪ロで北方領土問題が進展すると本気で思っているのだろうか。 外交の事は何もわからないと読者を馬鹿にして書いている、佐藤優の売文である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)