□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月25日171号 ■ ============================================================== 翁長知事の沖縄はハリス司令官の議会証言を黙って許すのか ============================================================== ハリス米太平洋軍司令官が2月23日米上院軍事委員会の公聴会で証言したと言う。 辺野古移設について、従来の計画よりも「二年少し遅れている」、「現時点では2025年委なるとみている」と。 それにとどまらない。 辺野古工事について、「日本に責任と義務がある」とまで言ったらしい。 よくもこんな事が言えるものだ。 しかし、残念ながらハリス司令官が米国議会でどう発言しようとそれは彼の自由だ。 問題は、その発言を日本がどう受け止め、どう対応するかだ。 対米従属の安倍自公政権は、この発言を受けて、遅れてはならじと本格工事を急ぐだろう。 安倍自公政権支持の日本の大手メディアは、この発言を無批判に垂れ流し、本格工事を急ぐ安倍政権を後押しするだろう。 すでに、これで普天間の早期返還が遅れると、安倍政権の代弁すらしている。 問題は、辺野古には米軍基地をつくらせない、あらゆる手段を講じて阻止する、と繰り返し公言している翁長知事の沖縄だ。 ハリス司令官が米国議会でこんな発言をしたことを知って、黙って見過ごす事は出来ないはずだ。 安倍自公政権に何を言っても無駄な事はわかっている。 だから翁長知事は、今後は米国を相手に辺野古反対の確固とした沖縄の総意を伝えていくべきだ。 そして翁長知事はそれを知っている。 何のために訪米したのか。 何のために米国に沖縄事務所をつくったのか。 何のために辺野古基金をつくって全国から基金を集めたのか。 それは、翁長知事が繰り返し言って来たように、辺野古建設を強行すれば日米同盟そのものが危うくなる、と伝えるためだったはずだ。 いま、翁長知事の沖縄に問われていることは、ハリス司令官の発言を黙って見過ごさない対米ロビー活動だ。 いや、もはやロビー活動の様な、悠長な事をしている時ではない。 真っ向勝負に出る時だ。 ハリス司令官のこの米国議会証言は認められない、沖縄住民の声を無視する発言だ、とすかさず沖縄から発信すべきだ。 それが出来ない翁長知事の沖縄では、もはや辺野古工事は阻止できない。 国政の場で、辺野古建設反対に向けて対米交渉を行う政党・政治家が出て来なくてはいけない。 戦後70年も経って、日本政府が自らの意思で、日本国民の税金を使って米軍基地をつくるような事をしてしまえば、日本は末永きにわたって米軍の支配から抜け出せなくなる。 それでいいのかということだ。 翁長知事の沖縄の正念場である。 日本国民の正念場である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)