□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月17日第853号 ■ ============================================================= 首脳会談を「やる」と叫んだ安倍首相の外交敗北 ============================================================= 日韓首脳会談がいよいよ11月1日にも実現しそうだ(10月17日読売一面トップ)。 たとえそれが米国の助けを借りて実現する(10月17日朝日新聞一面トップ)としても、安倍首相にとっては喜ばしい事らしい。 その勢いを借りて、日中首脳会談も「必ずやる」と安倍首相は、訪れた日韓議員連盟幹事長の河村建夫議員に叫んだという。 相手が習近平主席ではなく李克強首相であっても首脳会談は首脳会談だというわけだ。 朝日も読売もそう書いている。 なぜそこまで安倍首相は日中、日韓首脳会談にこだわるのか。 私にはその理由が理解できない。 なぜならば、たとえ首脳会談が実現しても、それらの首脳会談では安倍首相は歴史認識問題で責められるだけだからである。 そして、安倍首相が自らの歴史認識の誤りを改めない限り、首脳会談は平行線に終わり、真の関係改善は韓国とも中国とも実現できないからだ。 かつて安倍首相や側近たちは、不毛な首脳会談などする必要はない、こちらから頭を下げてお願いするものではない、などと強硬発言をしていた。 いや、今でも内心はそう思っているに違いない。 それだったら、なぜ「必ずやる」と安倍首相は叫ぶのか。 取り巻き連中は、なぜそれを止めないのか。 もちろん、米国から繰り返し関係改善を求められていることが背景にある。 しかしそれだけではない。 プーチン大統領のロシアとの関係もうまく行かなくなった今、このままいつまでたっても日中、日韓首脳会談が開かれないなら、安倍外交は行き詰まったと批判される事を恐れたからだ。 だから首脳会談の実現にこだわるのだ。 しかし、たとえ開かれたとしても、首脳会談はすれ違いに終わることは明白だ。 日本の首相が安倍首相でいる限り、習近平主席の中国や朴クネ大統領の韓国との真の友好関係は築けない。 それを一番よく知っているのは安倍首相だ。 その安倍首相が「必ずやる」と言わざる得ないところに、安倍首相の外交敗北が見て取れるのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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