□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月11日第834号 ■ ============================================================= TPP条文案をすっぱ抜いたウィキリークスの威力 ============================================================= 大筋合意、大筋合意と盛んに喧伝されるが、TPP交渉は最後はTPP協定として文書で合意されなければいけない。 大筋合意の内容を、これからどうやって協定に書き込んで最終合意に持っていくのだろう。 これは誰もが思いつく素朴な疑問である。 しかしどのメディアも、TPP協定の要約は報じても協定案の全貌を報じるものはない。 なぜならばTPP協定は出来上がるまでは秘密にされるからだ。 ところがきょう10月11日の朝日が報じた。 ウィキリークスが6日、バイオ医薬品のデータ保護期間についての60ページからなる条文案を公開したと。 それによれば、保護期間を①少なくとも8年②少なくとも5年と「そのほかの措置」を組み合わせる、のいずれかどちらかを選べるようになっていると。 またその条文の末尾の付属文書では、マレーシアとメキシコに移行期間として5年、ベトナムには10年を認めていると。 これは滅茶苦茶な合意だ。 合意と呼べない合意だ。 国によって差別をつける妥協の産物だ。 バイオ医薬品に限ってもこうだから、その他の分野でもすべからく妥協と域内差別が認められているに違いない。 バイオ医薬品だけで60ページにも及ぶのであるから、TPP協定そのものは膨大なページ数になるだろう。 その協定案の詰めはこれから行われるのだ。 こんな協定が国会で本格的に審議されたら問題が百出するだろう。 安倍自民党政権が臨時国会を開こうとしない理由がわかった。 ウィキリークスがここまで告発してくれたというのに、なぜ野党はそれを生かそうとしないのだろう。 野党第一党の民主党はいつまでたっても臨時国会の召集を安倍政権に求めようとしない。 求めている振りをしながら閉会中審査でお茶を濁そうとしている。 やはりこの国の政治はいかさまだ。 TPP協定も安保法案と同様に既成事実化されていくだろう(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)