□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月11日第833号 ■ ============================================================= 安倍政権が増長させた中国のユネスコ「南京」登録 ============================================================= ついにユネスコ(国連教育科学文化機関)が、中国が提出した「南京大虐殺」資料を世界記憶遺産への登録を決定した。 しかも数字について疑義のある南京大虐殺犠牲者の数を30万人以上とする南京軍事法廷の記録が含まれるという。 読売、産経が怒り狂うのは当然として、あの朝日まで社説で書いた。 歴史を政治に巻き込んで利用するなと。 その通りだ。 いくらなんでも中国はやり過ぎだ。 しかし中国の歴史問題に関する攻勢は止まないだろう。 おそらく、今回採用されなかった慰安婦問題に関する資料の登録にも固執するだろう。 いい加減にしてくれと日本人なら誰もが思うだろう。 しかし、安倍政権下の日本がいくら中国を批判しても習近平の中国は聞く耳を持たないだろう。 なぜならば、中国をここまで増長させたのは、間違った歴史認識に固執する安倍首相であるからだ。 その安倍政権は、中国政府に対する無意味な抗議を繰り返し、返す刀でユネスコに対する拠出金を削減するなどと言っている。 その一方で、安倍首相は日本の国連安保理常任理事国入りに熱心だ。 どこまでも支離滅裂な安倍政権である。 どうすれば中国の増長を抑えられるか。 いまの日本では誰も自信を持って正しく答えられないごとくだ。 朝日の社説ですら、「今回の登録を機に、論争ある歴史と政治を切り離す姿勢を日中で確認し合ってはどうか」としか書けないのだ。 そんな事で解決できるのならとっくに解決している。 歴史認識問題といい、軍事的膨張主義といい、中国を正しく抑制できるのは、村山談話と憲法9条の二つを国是とした新生日本だけである。 歴史を直視し、過去の誤り認め、それを公約とする日本こそ、和解と未来志向を中国に求める事が出来るのだ。 憲法9条を堅持し、実践する日本こそ、中国の軍事覇権を批判できるのだ。 そのような日本が実現するだろうか。 少なくとも今の日本の政治下では無理だ。 新党憲法9条が日本の政治の中で誕生した時はじめて、その可能性がうまれてくる。 そんなことを提唱しているのは私だけだ。 しかし、必ず皆がそれを言い出す時が来る。 そういう時代が来なければいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)