□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月1日第804号 ■ ============================================================= 少なくとも安倍政権の下での投票権18歳引き下げには反対だ ============================================================= 発売中の週刊エコノミスト10月6日号の「東奔政走」で毎日新聞の専門編集委員である与良正男氏が書いている。 恐らく唯一、と言っていい。閉会した先の通常国会で成立した法律のうち、私が手放しで評価しているものがある。選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法である、と。 大変な褒めようだ。 しかし、私はこの引き下げには反対だ。 そもそも選挙権を行使する資格は年齢ではない。 みずから働いた収入から税金をとられ、それが無駄遣いされる事に対する怒りを実感できる者にこそ選挙権を与えるべきだ。 政治に関心を持つようになるのは、私がそうであったように、家族を持ち、税金を払い、世の中の不条理を肌身で感じるようになってからだ。 それらすべてに無縁な高校生に選挙権行使の権限を与え、行使する責任を負わせることは、まったくの間違いだ。 百歩譲って、高校生にも選挙権を与えよと主張する者たちに、私はこう教えたい。 少なくとも安倍政権が続くかぎり、選挙権行使を18歳以上に引き下げてはけない、そんな事をすれば危険極まりない、と。 なぜならば今の安倍政権のやり方を見ていると、来年夏の参院選から有権者になる18歳以上、20未満の新たな有権者を、安倍政権に有利なように誘導していく事は朝飯前であるからだ。 これは私一人の考えではない。 9月30日の日刊ゲンダイで斉藤貴男が書いていた。 選挙年齢の引き下げで起こりかねない事は、あの自民党のことだ、若者の弱みにつけ込む卑劣にも躊躇しないだろうと。 その通りである。 既に安倍政権は来年夏の参院選において、18歳以上の2百数十万と言われる新有権者の取り込みにおいても、野党のはるか先を歩んでいる。 それでも選挙年齢を引き下げたのは快挙だなどと、与良正男のように考えている者がいるなら、考え直せと言いたい。 もっとも考え直しても、もはや後の祭りであるのであるが(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)