□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月16日第764号 ■ ============================================================= 安倍首相を失望させることになる習近平主席の訪米と米中合意 ============================================================== 習近平主席の訪米と日米首脳会談が9月末に行われる。 この重要な外交行事についてメディアはほとんど報じない。 その事と、これから書くこととは密接な関係がある。 なぜ記事が少ないのか。 それは各紙がその結果がとのようになるか見通せないからだ。 見通せたとして、その結果がつまらないことに終わるからだ。 伝えられる事は、南沙諸島の問題やサイバー攻撃の問題などで米中関係が緊張している中で行われる訪米であり、首脳会談であるという事である。 だからといって米中関係が険悪になるわけではない。 もし米中関係が険悪になることが分かっていたら日本のメディアは喜んで大きく書くに違いない。 しかしそうはならない。 そうなることが分かっていれば、訪中や首脳会談はとっくに延期か中止になっている。 どこまで緊張し、どこまで友好関係を演出するか、それがメディアには読めない。 しかし、これだけははっきりしている。 もし安倍首相やその取り巻きが、南沙問題やサイバー攻撃で米中がやり合う事を期待しているなら失望する事になる。 考えても見るがいい。 サイバー攻撃で米国が中国を正面から批判する事は出来ない。 そんな事をすれば中国は直ちに反論するだろう。そして米国は返す言葉が無い。 なぜならば世界一の盗聴国は米国であり、しかもCIAを含めた国家組織ぐるみで行って来た事を世界中は知っている。 米国も認めて謝罪している。 そんな国が中国にサイバー攻撃を止めろと言うこと自体がジョークだ。 南沙問題もそうだ。 世界最大の軍事国家である米国は、遠い極東まで艦隊を浮かべ軍事的優位を確保して来た。 そんな米国こそ世界の脅威だと言われたらオバマはどう反論できるというのか。 きょう9月16日の産経が共同を引用して書いている。 ワシントンポスト電子版が報じていると。 このほど訪米した中国共産党要人と米国との間で、米国は習近平の訪米前にサイバー攻撃を理由にした経済制裁は行わない事で一定の合意を見たと。ただし、サイバー攻撃に関する問題が解決されたわけではなく、習近平訪米の後の中国側の出方を見極めると米当局者は語ったと。 すべては先送りである。 問題を棚上げにして友好関係を演出する政治的ショーに終わるということだ。 日本のメディアが書かないわけである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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