□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月6日第735号 ■ ============================================================= 「リベラル結集」とは根本的に異なる新党憲法9条構想 ============================================================== 私は「SEALDs」(自由と民主主義の為の学生緊急行動)なるものが世の出始めた時、メールを入れて新党憲法9条構想こそ、その政治的受け皿になるのではないかと伝えた。 何の返答もないまま今日に至っている。 それから三か月ほどたって、その理由を私はきょう9月6日の朝日新聞に見つけた。 編集委員の前田直人という記者が「政治断簡」というコラムで書いていた。 「SEALDs」のホームページにこう書いてあるという。 「立憲主義、生活保障、平和外交といったリベラルな価値に基づく野党勢力の結集が必要」、「野党結集は、市民の政治参加を促し、機能不全が嘆かれて久しい代表制を活性化させる、新しい政治文化を創出する試みです」 そして中心メンバーの奥田愛基(23)が6月下旬の朝日とのインタビューで次のように語っていた事を紹介している。 「野党がバラバラに選挙に立って誰が楽しいんですか。もう振り回されるのはいやっす。リベラルの一点で結集するハラを決めてほしい」 何のことはない。 既存の政党、政治家と変わらない発想だ。 政治的関与はしないと言いながら、立派な政治活動である。 前田編集委員は、その記事の最後をこう締めくくっている。 「来夏の参院選に向け、野党は民意の受け皿をつくることができるだろうか。『リベラル結集』の前途を築くのは、もっぱら政党の仕事である」と。 いいだろう。 奥田氏や前田氏が言うようなリベラル結集ができることを期待する。 しかしそれは不可能だ。 不可能だけでなく、たとえそれが出来たとしても政権交代は無理だ。 万が一政権交代が出来ても、そのような「リベラル結集」でこの国を正しい方向に向かわせる政策は打ち出せない。 たちどころにリーダーシップの問題が出てくる。 ますます日本は弱体化し、政権交代を果たしたその瞬間から、再び下野した自民党、公明党や、その他の野党との政局が始まる。 そのような既存の政党、政治家のあらそいから決別した、まったく新しい政党を作らなければ政治は変わらない。 その時のキーワードは憲法9条の下に皆が私欲や私心を捨てて結集することだ。 その証として、新党憲法9条とその政治家たちは、特権を放棄し、税金から高額の報酬を得ることを潔しとしないことだ。 私は、いまは無理をして新党憲法9条をこれ以上進めようとはしない。 リベラル結集が成功すれば新党憲法9条など不要だ。 しかし、既存の政党、政治家によるリベラル結集を目指す限り、これまでの政治の不毛さから脱却は出来ない。 国民の大勢は失望したままだ。 最後は新党憲法9条の目指すものの重要性に皆が気づく時が来る。 そしてその時は、もはや私の役割は終わる。 皆が対等な立場で主役になる。 誰かがそういう政党を実現してくれればいいのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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