□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月5日第733号 ■ ============================================================= インドネシアへの新幹線売り込み競争に敗れた日本 ============================================================== インドネシアで日本が中国と受注を競ったいわゆる「インドネシア高速鉄道計画」が白紙になった。 これはインドネシアが中国と日本の板挟みになって判断を出来なかったのだ。 あるいは、日本と中国を競わせて、より有利な条件を引き出そうとしたのかもしれない。 しかし、そのようなインドネシア側の事情はここでは問わない。 今度の白紙回答は、日本と中国との痛み分けではなく、日本の衝撃的な敗北である。 そもそも新幹線技術は日本の誇るべき技術であり、インドネシアへの売り込みに日本が先を走っていた事は周知の事実だ。 おまけに新幹線売り込みの旗を振っていたのは、中国嫌いで安倍シンパの、JR東海名誉会長の葛西敬之代表取締役名誉会長筈だ。 何があっても勝ちに行ったに違いない。 インドネシアは長年にわたって日本の最大のODA供与国であり、日本にとってはアセアンの中でも最重要視していた国だ。 そのインドネシアが日本の思うように動かなかったのである。 葛西会長や安倍首相の衝撃と怒りは大きかったに違いない。 白紙撤回を通報された谷崎泰明大使は、かつて私が経済協力を担当していた時の部下だ。 その時の谷崎は、およそ出世とは程遠いお調子者でしかなかったが、いつの間にか出世して、いまではインドネシア大使になっていた事を今度の報道で知った。 その谷崎は今度の件でさぞかし大目玉をくらっているだろう。 こんな話ではなかったはずだと。 その責任は谷崎一人にあるわけではないが、現地大使の責任は免れない。 日本は今後必死に巻き返しを図ろうとするだろう。 しかし中国に勝てる保証はどこにもない。 谷崎大使の正念場は続くということだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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