□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月8日第474号 ■ ============================================================== 真剣に外交努力をする中国と、まともな外交ができない日本 ============================================================ 目の前で見せつけられる中国と日本の外交努力の差を見て、暗澹たる思いを抱くのは私一人ではないはずだ。 習近平主席が訪韓して中韓緊密化を見せつけた。 ドイツのメルケル首相が訪中し中独経済緊密化で一致した。 あす7月9日から北京で閣僚級の米中戦略・経済対話が開かれる。 ロシアを含めた同盟国との上海協力機構の強化は言うまでもない。 それぞれの評価については様々な意見があるだろう。 しかし、中国が世界の主要国を相手に、自らの国益実現の為に主席、首相以下国を挙げて外交をしていることは歴然だ。 最近に至って、関係が冷却しつつあると見られている米国に対しても、中国は外交面では常に積極的だ。 米国もそんな中国との話し合いの場を絶やさない。 立場が異なり、お互いを批判し合っても、対話がなくなることはない。 ひるがえって日本の地球儀外交はどうだ。 よりによって、譲歩してまでならずもの国家の北朝鮮との関係改善を急ぐ。 豪州との同盟関係強化が大きなニュースとなる。 その一方で、中国、韓国との関係は冷却する一方だ。 肝心の米国との関係においても、もはやオバマ大統領との会談はない。 日本は本気で外交をしているというのか。 この中国と日本の外交努力の違いこそ、日本がどんどんと国際的に劣勢になる最大の理由である。 おりしも習近平はここへきて日本の歴史認識に対する批判を強めている。 これは11月の北京でのAPEC首脳会談や来年の対日勝利70周年記念に向けた習近平の安倍を許さないという確固とした意思表示である。 それを知ってか知らずか、菅官房長官は歴史問題を国際問題化することは地域の平和と安定になんら役立つ者ものではないと一蹴している。 立場は違っても、世界の主要国を相手にして必死で国益を実現ようと努力する中国と、すべては内政の延長でしか外交が出来ない日本。 その違いはあまりにも大きい。 これほどまでに無力な日本外交を私は知らない。 すべては安倍首相の無能さと、それを許すこの国の政・官・財・メディアの安倍迎合のなせる結果である。 そんな安倍政権が、本当にこのまま続くのだろうか(了) ─────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)