□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月26日第343 ■ ========================================================= 米国大統領の広島、長崎訪問はこれで完全になくなった ======================================================== 今度のオバマ大統領の訪日に関する報道の中で私が一番重視したのがこの記事である。 栃木県の地方紙である下野新聞は4月24日の紙面で「広島、長崎訪問見送り、オバマ大統領に落胆の声」と題して要旨次のような記事を掲載していた。 すなわち、オバマ米大統領は23日からの来日で広島と長崎の訪問を見送ったと。国賓として2日にわたり皇室関係行事に参加することなどから、東京都内のみの滞在となる。「核なき世界」を表明したチェコ・プラハの演説から5年、訪問を待ちわびていた被爆者からは「期待を裏切られた思い」などと落胆の声が相次いだ、と。 そういえばオバマ大統領の広島、長崎訪問は日本国民の悲願であると同時に日米外交関係の一大懸案であり続けた。 米国大統領の広島、長崎訪問が日米外交関係に困難な問題を提起するがゆえに、薮中三三十二という元外務次官が米政府に対しオバマ大統領の広島、長崎訪問は行わないでくれと伝えていたことがウィキリークスで暴露され批判を浴びた。 広島、長崎の関係者が着任早々のケネディ大使にオバマ大統領の広島、長崎訪問を求めたが、その要請は直接オバマ大統領に伝えて欲しいとケネディ大使にかわされた。 それほど重要なオバマ大統領の広島、長崎訪問だが、今度の訪問は国賓日程が決まらなかった事や、主要訪日目的がTPP合意であったため、日米双方の念頭にははじめからなかったに違いない。 大手メディアもオバマ大統領の広島、長崎訪問についてはまったく取り上げなかった。 しかし、こうして下野新聞の記事を読むとあらためて思わざるを得ない。 これで米国大統領の広島、長崎訪問は将来にわたって完全になくなったと。 広島、長崎を訪問する米国の大統領として一番ふさわしのはオバマ大統領だった。 しかしオバマ大統領の訪日はもうその在任中に二度とない。 もし安倍首相とオバマ大統領の関係が良好であれば、オバマ大統領が再び日本を訪れる可能性は残るだろうが、いまや安倍首相とオバマ大統領の関係は最悪である。 オバマ大統領の後任大統領に誰が選ばれようと、広島、長崎を訪問しようと考える大統領はまず出てこない。 また一つ、日米外交関係の日本の悲願があっさり消えてしまったということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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