□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月20日第326号 ■ ========================================================= TPP日米交渉をぶち壊したリーク報道を検証せよ ======================================================== 甘利TPP担当大臣の訪米にもかかわらず日米に歩み寄りが見られず、とうとうオバマ大統領の訪日までその決着がずれ込む異例な事態になりつつある。 安倍首相と菅官房長官は帰国した甘利大臣から報告を聞き、安倍首相はなんとかしろと激をとばしたと報じられている。 これはシナリオが狂ったということではないのか。 私は4月18日のメルマガ第323号「主要紙が一斉に報じたTPP日米交渉のおとしどころ」で書いた。 すなわち4月18日の読売、朝日、毎日が大きく報じた。TPP日米協議は日本のコメの高関税を死守するかわりに、米国産コメだけを優遇して無関税輸入枠を新設することで大筋合意することになると。 主要紙が一斉にそう報じたのだから、おそらくこれがTPP日米交渉の落としどころになるのだろうと。 ところがきょう4月20日の東京新聞が甘利大臣の訪米で亀裂が再び拡大したと報じた。 私が注目したのはその記事の中の次のようなくだりだ。 「・・・日本ではこの時(甘利大臣が訪米して交渉している4月17日)、『米国は日本にコメや麦の関税は認める方向』との報道が相次いだ。これを米側は日本側による誤ったリークだと強く抗議・・・フロマン氏は再び強硬姿勢に転換し、牛・豚肉を中心に関税を撤廃かほぼゼロにするよう要求。日米の『譲れぬ一線』に対する深い溝は埋められず、コメや麦の交渉まで進めなかった。『三か月前の厳しい状況に戻ってしまった』。日本の交渉関係筋はこぼす・・・」 この東京新聞の記事が事実であるとすれば、政府関係者が三大主要紙にリークし4月18日の紙面で書かせた事がすべてをぶち壊したことになる。 政府からの情報を検証もせずに垂れ流した三大主要紙の責任が問われる事になる。 このままでは日米TPP交渉はオバマ・安倍首相会談でも先送りされ、日本はますます追い込まれていくことになる。 さもなければオバマ・安倍首脳会談で全面譲歩の政治決着を迫られる。 どっちに転んでも安倍政権にとって大誤算だ。 はたしてオバマ・安倍首脳会談後の共同声明では日米TPP交渉についてどのように書かれることになるのか。 そしてその意味する本当の日米合意はどういう事なのか。 この1年余りの日米TPP交渉の総決算から目が離せない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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