□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月19日第324号 ■ ========================================================= ここまで追い込まれ、矛盾している安倍首相の対米外交 ======================================================== 繰り返し書いて来た通り、日米関係に関する朝日新聞の報道は他紙の追随を許さない。 よく言えば米国に深く食い込んでいるということであり、悪く言えば米国から情報をもらって米国の代弁者の役割を果たしているということだ。 その朝日新聞がきょう4月19日の紙面で安倍首相が直面する日米関係の深刻さと矛盾を見事に書いていた。 その要旨はこうだ。 すなわち今度のオバマ大統領の訪日の最大のテーマはTPPである。 3月末にオランダのハーグで開かれた核サミットの際、普段は冷静なオバマ大統領が強い調子で安倍首相にこう妥協を迫ったという。 「国内外の目は今回の訪日をTPPの正否で評価する。そこはわかってくれ」と。 昨年末の靖国参拝で中国、韓国との関係を悪化させ、米国を失望させた安倍首相には、オバマ大統領への負い目がある。 尖閣問題では日本防衛で米国に頼らざるを得ず、慰安婦問題では日米韓連携に支障をもたらし米国に迷惑をかけた。 だからオバマ大統領のTPP要求は重い意味を持つ。 安倍首相の帰国後、TPP妥結に向けて日本側が急に動き出す。 甘利担当相の訪米でも米国は強硬姿勢を崩さずまとまらない。 それでも安倍首相は18日、訪問中の大阪府門真市で、「TPPをはじめとする経済で日米のきずなを強くしていきたい」と語っている。 その一方で、安倍首相は日本の歴代の首相の中で米国に不信と不快感を抱く初めての首相である。 米国は本当に日本を守ってくれるのかと外務省に問いかけ、シリア問題やウクライナ問題で独自の外交を展開しオバマ大統領に不信を抱かせる。 そんな安倍首相がオバマ大統領の国賓にこだわる。 オバマ大統領の滞在日程を2泊3日にさせるために、「天皇陛下ご自身が、大統領に国賓としてのおもてなしで応えたい」と外交ルートで米側に伝達させ、「天皇陛下のお心遣い」を持ち出して政治利用している。 こう書いたうえで、朝日は一面トップで次のようにスクープ報道している。 今度のオバマ大統領の訪日の成果は、共同声明で日米同盟強化を再確認することであることが日米両国の複数の関係筋の話でわかったと。 ここまで安倍首相の対米外交は矛盾し、追い込まれているということだ。 安倍首相にとっては自業自得であるが、日本国民はたまったものではない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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