□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月7日第296号 ■ ========================================================= ヘーゲル国防長官来日の舞台裏を公然と明かした安倍首相 ======================================================== これほどわかりやすい芝居はない。 オバマ大統領訪日の露払いとして来日したヘーゲル米国防長官は何のために日本に来たのか。 その答えを安倍首相自身がみずから公然と明かしたのだ。 それをメディアが何の疑義もなく書いてる。 4月5日午後に日本に到着したヘーゲル米国防長官は、その足でまっさきに首相官邸を訪れ、安倍首相と約40分間会談したという。 その会談で安倍首相は次のようにヘーゲル国防長官に要請したという。 「日米の強力な同盟関係は不変だというメッセージを出してほしい」と。 驚くべき率直な発言だ。 通常ならこのような安倍首相の発言は、公然とは言わない。 メディアが外務省や政府関係から必死になって取材し、記事にする話だ。 ところがこの安倍首相の発言は安倍首相が公然と語たり、すべてのメディアがそれを当たり前のように書いた。 そしてヘーゲル国防長官はその後の日本滞在で見事にその安倍首相の要請に応えた。 すなわちヘーゲル国防長官はその後小野寺防衛大臣、岸田外務大臣と会談し、安倍首相が要望した日米同盟関係の強化を行動で示した。 北朝鮮の脅威を煽り、中国の尖閣諸島領有権を牽制し、イージス艦の追加配備を約束し、沖縄の基地負担軽減の代わりに辺野古移転を約束させ、安倍首相の進める集団的自衛権行使容認を評価してみせた。 オバマ大統領の訪日も日米同盟の維持、強化が謳われるだろう。 安倍首相は自ら進めようとしている安全保障政策に対する世論や野党の反論を封じ込める格好のお墨付きを得るというわけだ。 しかしヘーゲル国防長官はその足で中国を訪問し、中国にはまったく別の事を話すに違いない。 中国に対しては、北朝鮮の核・ミサイルもアジアの安全保障も、米中がお互いの立場の違いを認めながら共同管理していこうと再確認するに違いない。 日本に対する日米同盟強化のうたい文句は歌舞伎のセリフのようなものだ中国に解説するのだろう。 そのセリフを繰り返すだけで米国が日本から欲しいものはすべて手に入る。 戦略のない安倍政権の外交で日本はますます対米従属から自立できなくなる。 安倍政権の延命にとっては好都合かもしれないが国民にとっていいことは何もない。 拉致問題も中国・韓国との関係改善も、基地負担軽減も、何ひとつ解決せず、TPP問題や財政・金融政策で国民生活はますます奪われていく。 安倍首相がヘーゲル国防長官に公然とお願いをした事はオバマ訪日をへて完成する。 メディアはオバマ訪日の記事をいまから書く準備をしているに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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