□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月4日第287号 ■ ========================================================= 靖国神社に参拝しないと中国側に約束していた安倍首相 ======================================================== きのう4月3日の毎日新聞が「隣人 日中韓」という大きな特集記事を掲載していた。 そこには、靖国参拝を行わないと安倍首相が明言しないかぎり、中国は決して日中首脳会談には応じないという、かつて毛沢東が抗日戦争で1938年にまとめた「持久戦論」にならった中国の確固たる方針が詳しく書かれている。 毛沢東を尊敬する習近平らしい確固とした戦略であるということだ。 しかし、私がその特集記事で注目したのは、そこに書かれていた驚くべき記述だ。 すなわち中国高官は毎日新聞に次のように語ったというのだ。 「実は安倍さん本人が、首相在任中は靖国神社を参拝しないと我々に約束したこともある」と。 第一次安倍政権発足の直前である2006年の夏、安倍晋三官房長官(当時)側が中国側にそう伝えて来たという。 そして別の中国政府関係者は次のように話したという。 「こうした動きがあったことから、第一次安倍政権で戦略的互恵関係を構築でき、日中関係の改善につながった」のだと。 これはもの凄い情報だ。 毎日新聞がこの事を安倍事務所に事実確認したがもちろん回答はなかったという。 しかし私はこれは事実だと思う。 それですべてに合点がいく。 安倍首相に気に入られてNSCの事務局長になった谷内正太郎氏は、内閣官房副長官補の時に安倍官房長官と親しくなり、外務事務次官となって安倍第一次内閣の外交をお膳立てした。 彼が真っ先に行ったのが小泉首相で冷え込んだ日中関係を、安倍首相で改善させたことだ。 それは谷内次官が中国の外務次官を日本の温泉に連れて行ったりして信頼関係を築いたからだと喧伝された。 そのエピソードが今でも馬鹿の一つ覚えのようにメディアで繰り返されている。 しかしそれは作り話だったということだ。 中国が安倍首相を歓迎したのは、小泉元首相に懲りた中国が安倍首相になったら靖国参拝はないということを、谷内氏から聞いて安心したからだったのだ。 そして安倍第一次政権は1年で終わったから靖国参拝の暇はなかった。 ところが第二次政権になって突然の靖国参拝だ。 その毎日新聞の特集記事は書いている。 中国側には安倍首相は約束を守らない人だとの疑念がある、と。 それが中国側が昨年12月の安倍首相の靖国参拝に強烈な反応を示したポイントだと。 その毎日新聞の特集記事はさらに書いている。 「外交交渉のやり取りは複雑で、一方の証言がすべてとは限らない。ただ、中国側が安倍首相に不信感を募らせているのは確かだ、と。 果たして谷内氏は、安倍首相は靖国参拝をしないと中国側に言ったのか。 それが第二安倍政権になって反故にされ、安倍首相ともども谷内NSC局長も、もはや中国とのまともな外交は出来なくなったということか。 これは何としてでも検証されなくてはならない問題だ。 河野談話の検証などよりはるかに重要で意味のある検証である(了) ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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