□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月31日第273号 ■ ========================================================= 習近平発言を軽々しく批判した菅官房長官の愚かさ ======================================================== 菅官房長官は3月30日のフジテレビの番組に出演して、中国の習近平主席がベルリンの講演で旧日本軍の南京占領に触れ、「30万人以上を虐殺した」と発言したことに関し、「極めて遺憾だ」とした上で、外務省が在日中国大使館の公使(報道によれば参事官とも)を呼んで抗議した事を明らかにしたという。 これを知って私は安倍政権の外交のあまりの稚拙さに目がくらむ思いだ。 繰り返して書いているように、安倍首相の靖国参拝をきっかけに、習近平氏の中国は安倍安倍首相に対する政治的、外交的戦争を決意した。 この習近平氏のベルリン講演もその宣戦布告の氷山の一角なのだ。 そうである以上、安倍首相は習近平主席と同じような周到さと覚悟を持ってその戦いの先頭に立つべきだ。 そのこと自体に私は反対しない。 それをなんだ。 在日中国大使館員を外務省に呼びつけて外務官僚から形だけの抗議をするだけだ。 しかもその事を民放のテレビで女房役の菅官房長官が軽々しく口走る。 これは本気の抗議ではない。 これは、南京虐殺はなかったと言い張る国内右翼に対する世論対策だ。 もし本気なら安倍首相自らが習近平主席に対しもっと公式に堂々と反論すべきだ。 しかし、それは出来るはずがない。 旧日本軍が南京で中国人を虐殺したことは日本政府も認めている歴史的残虐行為である。 その人数が30万人というのは誤りだと言うなら、日本政府は何人の中国人を殺したというのか。 その数字を日本政府は特定できないままだ。 仮に数万人であっても虐殺に変わりない。 どうやって世界の前で習金平主席に反論できるというのか。 加害者である日本の首相が、習近平氏が用意周到に仕掛けた政治的、外交的戦争に勝てるはずがない。 菅官房長官はテレビの前で軽率な発言を口走る前に、これからどんどんと激しくなっていく習近平氏が仕掛ける戦争からどうやって国民を守るか、安倍首相と額を寄せ合って無い知恵を絞るべきだ。 習近平はけしからんと言っているだけではどんどんと追い込まれることになる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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