□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月31日第271号 ■ ========================================================= 日朝協議の足を引っ張る米国に安倍首相はどう対応するのか ======================================================== 「北朝鮮の核・ミサイル問題を置き去りにして日朝協議を先行させることは許さない」 これは13年前の小泉訪朝以来の一貫した米国の方針である。 それが見事に今度の日朝協議再開の動きで示された。 ハーグで日米韓の首脳会談が行われている時、北朝鮮は日本に向けてノドン発射を行った。 当時これは日本に対するメッセージだと書く報道があったが違う。 これは、北朝鮮の米国に対するけん制だ。 拉致問題で日朝協議を再開しようとした日本をけん制し、日米韓首脳協議でもっぱら北朝鮮の核・ミサイル問題を取り上げた米国に対する北朝鮮の反発だったのだ。 日本はこの時、ノドンが日本に向けられた事に小野寺防衛相が怒って見せたが、それでも菅官房長官は「直接抗議したほうが効果がある」などと言って北朝鮮との1年4か月ぶりの交渉再開を重視し、予定通り行うことにした。 おまけに古屋拉致担当大臣は、軽率にも、「北朝鮮が拉致問題で誠意ある対応をした場合、制裁を段階的に解除することもありえる」と発言した。 即座に米国のハーフ国務省副報道官は28日の記者会見で、「日本とは緊密に連絡を取り合っており、不一致があるなどという懸念は全くない」と述べた。 これを、米国が日本に理解を示したと解説する向きがあったが違う。 日米の連携に乱れをもたらすような真似をする日本に対する警告だったのだ。 日朝会談では核・ミサイル問題を取り上ることを忘れるなと釘をさしたのだ。 そして今度の北朝鮮の「新形態の核実験」声明である。 北朝鮮は30日、国連安保理会議の議長談話に反発して、「核抑止力を強化するため、新たな形態の核実験も排除しない」と米国に向けてメッセージを送った。 日朝協議を行っているその最中に米国をけん制したのだ。 日朝協議の邪魔をするなと。 日朝協議の裏で米朝交渉が行われているのだ。 果たして安倍首相はその事を正しく理解しているのか。 そして拉致問題と日朝国交正常化は日本の独自外交であるという覚悟を持って、米国の妨害にも拘わらず日朝交渉を進展させることができるのか。 残念ながら対米従属の腰砕けに終わるだろう(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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