□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月30日第270号 ■ ========================================================= うまく行くはずがない日朝局長級会談 ======================================================== 日本に向けてミサイルが発射されても、国連安保理が非難談話を発表しても、それでも安倍政権は日朝局長級協議に踏み切った。 それを私は評価した。 しかし残念がら進展は期待できない。 なぜ安倍首相は日朝協議にこだわるのか。 それはもちろん拉致問題の解決にこだわるからだ。 自分の任期中に解決すると大見得を切った以上少しでも動かしたいからだ。 そして私はその努力を評価し、期待したい。 しかしどう見て、も安倍首相には日朝協議を進展させるだけの戦略と覚悟が見られない。 繰り返して書いて来た通り、拉致問題を本気で解決したいなら、国交正常化と一括して解決するしかない。 しかし日朝国交正常化を急ぐことは米国や韓国との間に摩擦を起こす。 米国も韓国も日本に北朝鮮と国交正常化を先行させられることを警戒し、反対しているからだ。 だからこそ核・ミサイル問題を持ち出すのだ。 六か国協議を優先させるのだ。 六か国協議や核・ミサイル問題より優先して、日本が北朝鮮と拉致問題と国交正常化について直取引をする。 これは小泉訪朝以来の日本外交にとっての最大のテーマであり続けた。 米国政府は今度の日朝局長協議に賛同したという報道が日本で一部なされているが、これは米国の意図を読み間違えた勝手な解釈だ。 米国は決して警戒を崩していない。 それどころか釘をさしているのだ。 米国と十分協議した上で慎重に事を運べと。 安倍首相が、日本には北朝鮮との和平協定を目指す権利があると主張できれば見上げたものだ。 そしてその権利を日本は有するし、米国や韓国にはその権利を否定する権利はない。 その事を正しく主張し、米国や韓国の反発を買わない形で進める事が出来ればたいしたものだ。 しかし安倍首相にはその覚悟も外交感覚も見受けられない。 結局は対米従属に終わり、拉致問題もごまかしの解決を模索することになる。 だから北朝鮮との交渉はうまく行かないのだ。 河野談話見直しについても、ウクライナ問題についても、そのほかあらゆる問題で、安倍首相はみずからやろうとしている事と米国の意向の板挟みになって最後は米国に屈服して終わる。 せめて日朝国交正常化交渉と拉致問題ぐらいは信念を押し通せと言いたいがそうはならないだろう。 日朝局長協級協議がうまく行かない本当の理由はここにある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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