□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月14日第230号 ■ ========================================================= アンネ本破損事件を犯人不明のまま終わらせてはいけない ========================================================= アンネ本破損の容疑者が捕まったという。 きのうのニュースで一斉に取り上げられた。 しかし詳細は一切明らかにされていない。 全容解明にはさらなる調査が必要であるという。 菅官房長官は13日の記者会見でこう述べた。 「誠に恥ずべき行為で、一日も早く全容が解明する事を期待する」と語った。 同感である。 しかし政府は本気で全容解明をする気があるのだろうか。 たとえ全容解明が出来たとしても、政府はそれをそのまま公表するのだろうか。 一刻もはやく全容を解明しなければならない事に誰も異論はない。 日本にも反ユダヤ主義者たちが存在し、このような卑劣な行為を行う者がいるという国際批判が高まれば、大多数の善良な日本国民にとっては迷惑な話だ。 おりからヘイトスピーチなどに見られる右傾化しつつある日本だ。 犯人がそのような若者であれば、右傾化を勢いづけた安倍政権の責任だと言われかねない。 さらにまた安倍政権の歴史修正主義を中国が批判し、日本がナチ呼ばわりされる外交的劣勢下に今の日本はある。 だから今度の事件も中国が日本を陥れるための陰謀だとする意見も散見される。 その典型が週刊スパ3月11日号の勝谷誠彦巻頭コラム「ニュースバカ一代」だ。 この事件で得をする国はどこか、と言って暗に中国工作説に言及している。 いずれにしても安倍政権にとっては迷惑な話だ。 これらすべてを払しょくするためにも安倍政権は全力で解明しなければいけない。 しかし私は、この事件は全容が未解明のまま一人の軽率な犯行で幕引きされるのではないかと思う。 なぜならば安倍政権にとってそれが、一番都合がいいからだ。 もし安倍首相の支持層である右翼化した若者の組織的犯罪なら、安倍政権のダメージになる。 中国が関与していたとしても、政府はそれを公表できない。 中国は決してそれを認めないし、さらなる日中関係悪化につながる。 犯人が誰であれ安倍政権にとって迷惑な話なのだ。 だからといっていつまでも犯人を特定できないなら批判される。 一番好都合なのは、全容が解明できないままに、おそらく主義・主張のない愚かな若者の単独犯だろうということで終わることだ。 だからといって政府がそれに向かって隠ぺいを図るだろうと言うつもりはない。 これ以上の証拠は見つけられず、ほとんど何の背景もない単独犯であることでほぼ間違いない。 そういう形で一刻も早く本件が終わる事が皆にとって望ましいのだ。 それにしても迷惑な事件だ。 ひとつだけはっきり言える事は、日本国民のさらなる関心と同情をイスラエルは得たということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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