□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月2日第204号 ■ ========================================================= 竹崎最高裁長官の突然の辞任と「絶望の裁判所」という告発本 ========================================================= 最高裁長官の竹崎博允(ひろのぶ)氏が7月7日の定年を待たずに3月末で退官を決めたと報じられたのは2月27日であった。 その理由を最高裁は「健康上の理由」としているというがそれをまともに信じる者はいないだろう。 竹崎氏の突然の辞任の裏にあるものは何か。 私は最近刊行された「絶望の裁判所」(講談社現代新書)がその理由ではないかと思っている。 この本は元最高裁調査官の瀬木比呂志という人が書いた前代未聞の最高裁判所に対する告発書である。 とりわけ裁判員裁判制度の導入や検察審査会の権限強化などを骨子とする司法制度改革を進めた張本人である竹崎最高裁長官の人事権の濫用を糾弾した告発書だ。 その衝撃は、私がこれまで読んだどの告発書から受けた衝撃よりもはるかに大きい。 この告発書で書かれている数々が事実なら、竹崎長官はその職にとどまることは出来ないだろう。 いうまでもなく最高裁はこの国の司法の頂点に立ってこの国の司法を牛耳って来た。 その司法の前にはこの国の国民はもとより政治家さえも逆らえない。 それほど最高裁は絶大な権限を持ち、だからこそ最高裁批判は誰もできない「聖域」だ。 その最高裁を竹崎という一人の司法官僚がここまで牛耳っていたのだ。 これほどの反国民的な事はない。 その闇が瀬木比呂志という勇気ある一人の元裁判官によって容赦なく暴かれた。 この本が世に広く知られるようになると竹崎氏は最高裁長官としてとどまっていられないだろう。 その前に辞めたとしても不思議ではない。 最高裁を怒らせてはまずいといわんばかりにメディアは「絶望の裁判所」の書評を書かない。 そう思っていたらきのうの日刊ゲンダイ(3月3日号)が書いた。 これをきっかけにこの本の存在が広く国民に知られることを期待する。 竹崎最高裁長官が退官する3月末までにはまだ日がある。 竹崎長官を国会に参考人招致する勇気ある政治家が出てこなければウソだ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)