□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月25日第190号 ■ ========================================================= 河野談話見直しをやれるものならやってみればいい ========================================================= あなたは河野談話が正しいと本気でそう思っているのか。 そういう声が私に寄せられる。 もちろん正しいと思っている。 その理由を挙げればきりがないが、一言だけいえばこういうことだ。 あの文章は当時の官僚たちが当時の情報に基づき、知恵を絞って作成し、発表した文章だ。 それが間違いなら、当時の官僚たちはすべて責任を取らねばならない。 もちろん石原元官房副長官もだ。 だから私は石原元官房副長官があのような国会証言を軽々しく行ったことを批判するのである。 当時の関係者たちへの裏切りである。 そしてそれを了承した自民党政権の政治的責任こそ問われなければならない。 しかし私がここで書きたい事はそのことではない。 あの石原元官房長官の証言が招いた致命的失敗は、その事により河野談話の作成・発表の実態を再検証すべきだという声が起きることだ。 実際のところきょう2月25日の産経新聞は自らの世論調査を引用し、「広がる再検証要求」と喜び勇んで一面トップで書いている。 愚かだ。 もしそのような声に押されて安倍政権が再検証に手をつけるようになると取り返しのつかない事になる。 それは日本にとってはもとより安倍政権の為にもならないのである。 再検証を始めれば今度こそうやむやには出来ない。 もし再検証の結果、やはり河野談話は間違いではなかったという事になれば、その時点で河野談話は確定する。 二度と河野談話の見直しを言えなくなる。 そして安倍政権は恥をかくことになる。 そんなことを安倍政権が認められるのか。 もちろん認められない。 だから再検証の行き着く先は、河野談話は誤りだったということにならざるを得ない。 しかしそのような結論を出すことは河野談話を追認する事よりもはるかに困難な作業だ。 強制がなかったということを証明する挙証責任は再調査を求める側にある。 そしてその場合、強制がなかったという証拠を見いだせなければ、河野談話は間違いだと断定できない。 そして一人でも強制された慰安婦が存在したことが確認されれば、その時点で強制はなかったという論理は破たんする。 それでも強引に強制はなかったと結論づけ、河野談話の見直しを行えば、その時こそ日韓関係は破たんし、それにとどまらず日本は世界から批判され孤立するだろう。 そんな調査を政府や官僚が出来るはずがない。 そんな調査をさせられる官僚はストライキを起こすだろう。 なによりも、そんな調査を行っている間にも慰安婦問題に関する意見は賛否双方から繰り返される。 しかし慰安婦問題を日本の政治家や官僚や有識者が口にすること自体が異常で恥ずべきことなのだ。 女性の尊厳を傷つけ子供たちに悪影響を与え続ける。 少なくとも私はそのような者たちの仲間入りはしたくない。 世界中の良識ある国民はみな同じ考えだろう。 最後にひとつだけ付け加えて置く。 慰安婦碑をやたらに作られてだまっていていいのか、韓国政府の日本たたき工作を認めていいのか、という反論がある。 もちろんそれを許してはいけない。 慰安婦碑はソウルの日本大使館の前からも、全米各地からも撤去されなくてはならない。 その事を私は誰よりも強く警告してきた。 そのためにも日本は過去のあやまちを国是として謝罪し、二度とそれを否定するような政府要人の言動を禁ずるべきだ。 その上でそれでも中国や韓国がそれでも日本批判を政治の道具として続けるようであれば、その時こそ強い立場で正しく中国、韓国を批判できる。 安倍政権がやっている事は逆だ。 逆の事を繰り返して日本の国益を失い続けている。 彼らこそ売国奴である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)