□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月22日第179号 ■ ========================================================= 河野談話の見直しを主張した読売新聞の社説に驚く ========================================================= 河野談話の作成・発表過程をばらした石原元官房副長官の国会証言を受けて、まるで鬼の首をとったようにきょうの産経新聞は紙面をあげて河野談話の見直しを求めている。 それは当然だ。 河野談話の見直しは産経新聞の社是であり、石原氏のインタビュー記事をスクープしたのも、そしてその石原氏を国会に招致して、山田宏という松下政経塾出身の日本維新の会の右翼議員を使って質問させたのも、いずれも産経新聞が書いたシナリオだったからだ。 しかし、きょう2月22日の読売新聞がその社説で「慰安婦証言を検証・公開せよ」と書いたのには驚いた。 しかもその社説は「河野談話の検証作業を急ぎ、誤りを正さなければならない」と締めくくっている。 これは河野談話を見直せという産経新聞と同じだ。 産経新聞が書く限りはまだ笑って見過ごせる。 田母神発言と同じく、どんなに強固な支持層がいても、所詮きわもの扱いで終わる。 田母神氏も産経新聞もそれを知っている。 所詮営業目的の為にそう言っているのだ。 しかし自称1000万人の購読者を誇る天下の読売が社説で河野談話の見直しを書いた。 いまや安倍首相の最大の擁護者のごときナベツネの読売がそう書いた。 これは驚きである。 なぜならば、もし安倍政権が慰安婦問題の見直しを言い始めれば、今度こそ米国が怒り出すからだ。 米国だけならまだいいが世界から見放される。 だからこそきょう2月22日の朝日は、「安倍外交 孤立化への道を進むのか」という見出しを掲げてこれ以上ない強い警鐘を鳴らした。 その社説の中で注目されるのは、つぎのくだりだ。 「集団的自衛権はもともと米国が後押しし、昨秋の日米外務・防衛相担当閣僚会合では、容認に向けた(安倍)政権の動きを『歓迎する』としていた。ところが、歴史に真摯に向き合わない首相らの姿勢はむしろ米国のアジア戦略のかく乱要因になっているとの見方が、米国内で急速に広がっている・・・」 繰り返し書いて来た通り朝日は、いまでは米国の事情にもっとも精通しているいわば米国の代弁者のごときメディだ。 朝日の警告は米国の忠告である。 いくら安倍首相が日米軍事協力で米国にゴマをすっても、もはや間違った歴史認識を放棄しないと日本は米国の同盟国でなくなると言っているのである。 その間違った歴史認識の中でも慰安婦問題はレッドカードだ。 読売新聞は本当にそれでいいのか。 安倍首相と心中するつもりなのか。 おもしろくなってきた(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)