□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月22日第178号 ■ ========================================================= 「役立たず」の上に「暴走する」日本版NSCは即刻廃止だ ========================================================= 安倍政権の目玉政策だという鳴り物入りで出来た国家安全保障会議(日本版NSC)であるが、2か月たってもその存在感はゼロだ。 いまの日本にとって最も重要な日米関係の修復にまるで役に立っていない。 初仕事だと喧伝されたのは昨年暮れの南スーダンにおける韓国PKO軍に対する弾薬供与決定だった。 迅速な政治決断が出来たと胸を張ったまではよかったが、拙速過ぎて、ただちに日韓間の外交問題に発展し、挙句の果てに供与した弾丸は使われないまま日本へ返却される始末だ。 そう思っていたら今度は武器輸出三原則の見直しである。 2月21日の読売新聞が一面トップで書いた。 NSC主導で今の武器輸出三原則に代わるあらたな新原則をつくり、そこで国際機関への武器輸出を容認するという。 ここまではすでにいくつかの報道が書いていた。 しかしきょう2月22日の毎日新聞が一面トップで書いた。 「紛争国への武器輸出」も可能とすると。 これには驚いた。 武器産業の金儲けのために憲法9条の精神を否定するということだ。 いくらアベノミックスがうまくいかないからといってこれはないだろう。 韓国PKO軍に対する弾薬供与は冗談で済ませることができた。 しかし紛争国に武器輸出を認めるという決定は、これまでの日本という国のあり方を変える一大政治決定だ。 それほどの重要な決定を、安倍首相、菅官房長官、岸田外相、小野寺防衛相の4人組で即断し、それを閣議が追認する。 そして一度閣議決定をしたら、いまの政治状況ではいくら国会で審議しても、すべてが通ってしまう。 これほど立憲主義を否定した危険な事はない。 日本版NSCが無策、無能でとどまる限りはまだ無害だ。 しかし無策、無能な4人組がここまで重要な決定を即断する。 決して許してはいけない暴挙である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)